今年で結成20周年を迎える野島健児さん&菅沼久義さんのふたりユニット「COCO」。前作のアルバムリリースから11年の時を経て、待望のセカンドアルバム『あぶく』が10月9日に発売に。

結成秘話から最新のアルバムにかける想いまで、たっぷり語っていただいたビーズログ11月号のグラビア&ロングインタビューに引き続き、誌面には入りきらなかったおふたりの熱い想いを2回にわたってお届けします。

さらに、2018年10月6日・7日には、吉祥寺・スターパインズカフェにてCOCO LIVE「あぶく」(2days4ステージ)の開催も決定!
チケットの一般販売は9月22日10時~となっています。あわせてチェックしてください。

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――アルバムに収録されるソロ曲はすでにレコーディングされているとのことですが(取材時は8月中旬)、収録はいかがでしたか?

野島 今回は今までのレコーディングとは違う録りかたをしていて。だいたいAメロを歌ってみて、上手く録れたら2番のAメロを歌うというようにパートごとで歌うことが多かったんです。でも今回は、曲の頭から最後まで歌いきるという、生っぽくライブ感のある収録の方法をとっています。集中力や体力も必要になってきますが、ひとつの作品としてのまとまりが初めから掴みやすいです。

菅沼 バラバラに録るのが悪いというわけではなくて。

野島 今回は“生っぽさ”、“ライブ感”を重視してこういった収録のしかたなんですよね。あのライブでお客さんを前にして歌っている時のような。歌の中の世界観とともに、それを聴いてくださっているファンの方々ひとりひとりの顔が思い浮かんできました。そんなことを感じながら歌えたので、それはまさに今回のレコーディングのやりかたあってのことだと思います。今回は歌の“荒”にも捉えられる部分もひとつの世界観として、ひとつの作品となって出来上がっています。そういったものも“味”として完成されていくんだと感じてもらえると嬉しいです。

――デュエットの曲はどういう形で収録をされたんでしょうか?

菅沼 デュエットの曲も同じく、最初から最後まで収録するやりかたでレコーディングしています。最初にのじさんが土台作りとして、まず世界観を作って収録をして。

野島 すがぽんのパートもね(笑)。

菅沼 僕のパートだからといって手を抜いているわけではなく、ちゃんと歌っているんです。僕もその気持を踏襲するために、制作過程も聴いておこうと思ってなるべく早くスタジオに入っていました。サウンドプロデューサーのQoonieさんが「次はこういう世界観で歌ってみてください」とおっしゃったら、次にのじさんが歌ったときには世界観がコロッと変わるんですよ。のじさんは直接は聞いていないかもしれないですけど、「今度はこういう感じでと言ったら、これだけ世界観を変えられるのは凄いですよね」というお話をQoonieさんがされていたんです。

野島 超嬉しい話を聞きましたね、いま(笑)。

菅沼 実際、僕もそう思いながら聴いていますからね。そうやってのじさんが作った世界観の上に、僕がまた世界観を乗せていくという作りかたでした。

野島 僕の土台作りという作業も大変だとは思うんですけど、出来上がっている中にすがぽん自身の良さだったり、世界観だったりを乗せていくのも大変だと思うんですよ。僕が早いもの勝ちで歌った部分に寄り添っていくというか。

菅沼 のじさん独自の節回しが最大限に生かされているので、中には譜面通りの歌いかたではない部分もあるんですよ。それで僕がいちばん苦労したのが『みんな探してる』という曲の「もうちょっとだけ」というフレーズです。

野島 ハモっているところだね。「もうちょっとだけ」の“だけ”の部分を、本来のメロディーラインよりもニュアンスでわざと下げたんですよ。

菅沼 それがいいテイクだから生かされているんですけど。言いかたが悪いですけど、それのせいで(笑)、ハモリが難しくなってしまったんですよ! なので、僕は何度も録り直して。でも、何度も歌い直したので、自信があります。ぜひとも皆さん、のじさんがメインを歌っていて、僕がハモっている1回目の「もうちょっとだけ」の部分に注目してください!

野島 2回目の「もうちょっとだけ」は僕がハモリも先に録ってしまったので、1回目のその1箇所しかないんですよ(笑)。

菅沼 最後の「明日のその向こう」というフレーズも少し本来の譜面とは違っているんですよ。

野島 メロディーは変えていないんですけど、リズムを少しゆっくりにしているんです。そもそもこの曲はノリが難しい曲なんですけど、中でも最後をいい空気感にしたくて。

菅沼 これがまた難しかった……。のじさんが収録を終えて帰るときに「すがぽんには宿題を出してあるから」と言っていたんですよ。ドキっとしましたね(笑)。でもきちんと合わさって決まったときは気持ち良かったです!

野島 絶対合わせてくれると確信があってやった部分もあるんですよ。

――確信を持っていたと。

野島 多分、ミュージシャン1本でやっている方だと、そこを合わせてくるって難しいこともあると思うんですよ。でも、僕たちは声優なので。ある意味、仕事の多くは“合わせる”ことでもあると思うんですよ。

菅沼 そういう部分で、“耳のプロフェッショナル”と言われることもありますからね。

野島 よく大人数の収録で、掛け声も言わずにセリフを合わせることがあるんですよ。

菅沼 だいたい真ん中の人が指揮をとるんですけど、「俺がやるよ」とも言わずに。

野島 “息を合わせる”という言葉の通り、その人の息を吸う音を聞いて合わせるんですよ。

菅沼 それは我々の技術ですよね。

野島 そういうことを20年もやっている人だし、僕といっしょに歌をやっていますからね。

菅沼 ただ合わせるだけではなく、そこに表現も乗せて。これは20年の仲だからこそできたことだと思います。そういう部分が『みんな探してる』だけではなく、ふたりで歌っている曲にはふんだんにあります。

――聴き込むといろんな発見がありそうですね。

菅沼 最初は世界観を楽しんでいただいて。何回も聴くにあたっては、そういった細かい部分も聴いて頂けると。

野島 ふたりの寄り添い具合を(笑)。

菅沼 個々に異なる大変さがありますからね。のじさんは0から1を作り出す大変さ、僕はその生み出された1をより大きく広げていくという。

――アルバム発売に合わせて特典やグッズの発売などもあるんですよね。

野島 現在(取材時:8月中旬)は、鋭意制作中ですね。あとは『うっかりCD』もあるという。僕らはアルバムよりも遥かな枚数『うっかりCD』というCDを出しているんですけども。

菅沼 ワンコインで楽しめるものなんですけど。ヒドイ内容ですよね(笑)。いちばんヒドイなと思ったのが、のじさんの家で収録をしているときに宅配便が来ちゃって。「ピンポーン」って。

野島 それはカットしたっけ(笑)?

菅沼 カットしたと思いますよ! そのぐらい緩いCDになっているんですけども。『コウントダウセン』という岸尾だいすけさんが来てくださったときは、そこに岸尾さんも交えてもっとヒドイ内容になっていて(笑)。下ネタもありつつ。

野島 年齢制限が必要になるやつですね。

菅沼 でも、ビーズログ読者の中にはもっと年齢の若い方もいらっしゃるとのことですからね。

野島 なので、なるべく若い方のことも考慮した内容にね。

菅沼 できるかなー? 気をつけたいと思います(笑)!

(第2弾につづく)

ビーズログ11月号(9月20日発売)にもおふたりのグラビア&ロングインタビューを掲載!

【ビーズログ11月号】(9月20日発売)掲載内容はコチラ!

CD発売情報

『あぶく』
発売日:10月9日(火)
価格:2500円[税込]
ジャケットイラスト:野島健児
企画・製作:NZ-project
販売元:のじまーけっと http://nojimarket.shop-pro.jp/

※特典情報は公式サイトをご確認ください。

COCOライブ情報

COCO LIVE「あぶく」
日程:2018年10月6日(土)/7日(日) 全4ステージ
会場:吉祥寺・スターパインズカフェ
出演:COCO(野島健児・菅沼久義)

<公演時間>
10月6日(土)
1st open 13:15 / start 14:00
2nd open 17:15 / start 18:00
10月7日(日)
1st open 12:15 / start 13:00
2nd open 16:15 / start 17:00

<チケット>
のじまーけっとにて受付
料金:5800円+1drink(自由席/税込)
一般発売:9月22日(土)10:00~ 先着順受付(予定枚数に達し次第終了)

<お問い合わせ>
のじまーけっと http://nojimarket.shop-pro.jp/
企画・製作:NZ-project