ライヴにトークに新作発表、盛りだくさんのお祭り!

2019年9月14日、神奈川・パシフィコ横浜 国立大ホールにて、ネオロマンスシリーズの25周年記念イベント『ネオロマンス 25th Anniversary』が開催されました。

3時間越えのボリュームで開催された同イベントには、『アンジェリーク』『遙かなる時空の中で『金色のコルダ』『下天の華』といったシリーズを彩ってきた豪華キャストが出演。前人未到のアニバーサリーを盛大にお祝いしました。

出演者

『アンジェリーク』シリーズ:速水 奨さん(ジュリアス役)、岩田光央さん(ゼフェル役)

『遙かなる時空の中で』シリーズ:中原 茂さん(藤原鷹通/藤原幸鷹/有川 譲/葛城忍人役)、井上和彦さん(橘 友雅/翡翠/梶原景時/風早役)、四反田マイケルさん(アーネスト・サトウ/萩尾九段役)、安元洋貴さん(高杉晋作/里谷村雨役)

『金色のコルダ』シリーズ:内田夕夜さん(吉羅暁彦/榊 大地役)、水橋かおりさん(リリ/水嶋悠人役)

『ネオ アンジェリーク』シリーズ:高橋広樹さん(レイン役)

『下天の華』シリーズ:松風雅也さん(織田信長役)、野島健児さん(明智光秀役)

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“ネオロマンサー”たちがいまかいまかと待ち構えるなか、幕が上がるとステージ上にはいきなりキャストが勢ぞろい! ジャジーな25周年記念ソング『明日へのパレード』で華やかに開幕します。

ネオロマの始まりである『アンジェリーク』の速水さんから順にキャストが紹介され、それぞれが思い思いのメッセージを贈ると、ノンストップでライヴコーナーへ。前半は5曲が披露されました。

『Endless Spiral』レイン(CV.高橋広樹)

『月影の夜露』明智光秀(CV.野島健児)

『君のすべてを』榊 大地(CV.内田夕夜)

『夢想鳥 ~吾ガ恋フル小鳥ガ為ニ~』アーネスト・サトウ(CV.四反田マイケル)&高杉晋作(CV.安元洋貴)

『比翼となりて』織田信長(CV.松風雅也)

大切なあの人へ、彼が書いた手紙とは……?

続いてはメッセージ&ドラマコーナー。『Letter ~親愛なるあなたへ~』と題し、“大切な人へ手紙を書く”というテーマでそれぞれの物語が綴られました。

『ネオ アンジェリーク』のレイン(高橋広樹さん)は手紙を書くのが苦手な様子。悩んだ末に出会いの思い出を綴りますが、「俺はおまえのことが……いや、さすがにこの想いは手紙じゃなくて直接伝えたい」と結局ボツに。“ふだんは伝えられない想い”を手紙に記すのは、なかなか難しいようです。

一方、『遙か6』の村雨(安元洋貴さん)は、九段(四反田マイケルさん)の発案で神子へラブレターを書くことに! 小説家とはいえ小説と手紙では勝手が違うようで、頭を悩ませています。そんな村雨をよそに、すぐに書き終えたという九段は、自信満々で村雨に自分の手紙を読み聞かせます。それを受けて、村雨が書き上げた“ラブレター”とは……?

密かに手紙を書いていたところを、リリに見つかってしまった『コルダ2』の吉羅(内田夕夜さん)。個人的な内容だから本人に渡すつもりはなかったようですが、いつの間にか手紙はリリ(水橋かおりさん)のもとに……! リリは、自分が書いた手紙とあわせて吉羅の手紙も渡しに行ってしまいました。

時代は変わり、『下天の華』では信長(松風雅也さん)光秀(野島健児さん)が何やら画策中。信長は、まじめすぎるほたるに文で“遊びから学ぶ”心を教えようというのです。意味深でミステリアスな光秀の手紙、そして大切な女性を導くかのような信長の手紙……果たして彼女はどのような反応を見せてくれるのでしょうか。

勢いで神子への想いを手紙に綴ってしまった『遙か』鷹通(中原 茂さん)。そこへ友雅(井上和彦さん)がやってきてきます。友雅は、同じように神子へ手紙を持参した様子で、先を急ぐ鷹通に「そんなに急がなくても神子は消えてなくならないよ」とからかいます。「気の合わない相手と同じ人を想うとき、どうやって平常心を保てばいいのか」と悩む鷹通ですが、神子が絡んだ話とあらば退く気はないようで……。

ラストは『アンジェリーク』からジュリアス(速水 奨さん)ゼフェル(岩田光央さん)が登場。女王候補にアドバイスの手紙を書くことになったランディ・ゼフェル・マルセルですが、ゼフェルはそんなものを書くつもりはないとジュリアスを突っぱねます。けれどじつは、手紙を書いていたゼフェル。彼は、認めている相手にアドバイスを送ることに迷っている様子です。一方でジュリアスはゼフェルにお手本を見せようと、手紙を考えますが素直な想いになりすぎ「これでは手本にならんな」と改めて光の守護聖として書くようでした。

キャラクターどうしのクスッと笑える掛け合いと、彼らの想いが詰まった甘いメッセージ、双方をたっぷり味わえるコーナーでした♪

貴重なネオロマエピソードも続々? 質問コーナー

バラエティコーナーでは、「♪Happy Birthday Dear ネオロマンス」とキャスト全員から歌のプレゼントが贈られたのち、質問コーナーが始まります。

『アンジェリーク』&『ネオ アンジェリーク』チームへの質問は「忘れられない『アンジェリーク』の思い出」。25年の歴史があるだけに悩んでいた速水さんですが、約10年前のイベントのエピソードを挙げてくれました。

ネオロマイベントといえば中原さんのコール&レスポンスがおなじみですが、中原さんはその日なぜか、いきなり「おかえりー!」と呼びかけてしまったそう(笑)。その様子がいまも印象に残っているそうです(中原さん「あのとき、間違えたことに気づいていなかった」)。

さらにここで井上さんから、「もう1回やってみたら?」とまさかの提案が!? 「おかえり」に続く言葉といえば……ということで、なぜか「おかえりー!」「フロ、メシー!」のコール&レスポンスをやることになり、会場は大いに盛り上がりました。

岩田さんの『アンジェ』の思い出は、初めてパシフィコでのイベントに出演したときのこと。いまでは大きな会場も当たり前ですが、当時はパシフィコのようなホールでイベントを開催することはかなり珍しかったそうで、「広さが衝撃的でした」とのこと。「よく25年、がんばってきました。僕らがここまでやってきたんだぜって、誇りを持ってます」と感慨深げに話していました。

さらに高橋さんは、『ネオアンジェ』初めての収録時、ディレクターさんから「肌が水を弾くようにお願いします」というオーダーを受けた、というエピソードを披露してくれました(高橋さん「あのひとことがなければ、もう少し違った演技になっていたかも」)。

続いて『遙か』チームへの質問は、「セクシーでいられる秘訣」! 安元さんは「なんで我々だけ大喜利になってるんですか!?」と異議をとなえつつも、「正直、(乙女ゲームには)あまり慣れていなくて、恥ずかしさはありますよ。でも、諸先輩がたの貫き通している姿はカッコイイ! それを見ながらがんばっています」とコメント。「先輩たちが異常に若々しいんですよ。じつは今日、男性声優のなかで僕が最年少なんです」との言葉に、客席からは驚きの悲鳴が漏れていました。

一方、井上さんは「いっぱい恋して、いっぱい失敗すること。芸の肥やしですよ」とにこやかに語ります。中原さんは「(若さの秘訣は)ないです」と断言しつつも、「和彦さんの隣にいることですかね」と笑顔を見せました。

「キャラクターをイメージしたスイーツをプロデュースするとしたら?」という質問に頭を悩ませたのは『コルダ』チーム。内田さんは意外と甘いものを食べない大地を考慮して、彼らの地元・横浜に根づいたお菓子を挙げていました。

そして甘いものをあまり食べないという水橋さんの代わりに、内田さんがハルのスイーツを考えることに。「和な感じかな。スイーツなのに、ひとりで磯辺巻きとか食べていそう(笑)」と話していました。

『下天の華』チームへの質問は「ネオロマンスと出会ったことで、何か変化がありましたか?」。ここでは松風さん&野島さんのボケ合戦と化し、

松風「一人称は“余”って言ってますね」

野島「飛んでる小鳥はだいたい何言ってるかわかりますかねぇ」

松風「あと、本能寺(の変)の夢を見て飛び起きる……」

野島「それは反省してる!」

と、丁々発止の掛け合いがくり広げられました(笑)。

さらに、キャスト全員へ向けた「イベントに向けた“勝負メシ”はありますか?」という質問では、連日のイベントでは近隣のホテルに泊まるという高橋さんが、ルームサービスで頼めるステーキ丼を挙げます。

すると内田さんから、「『コルダ』のイベントでホテルに泊まると、夜はだいたい(伊藤)健太郎くんの部屋にキャストが集まって飲むんですよ。あるときは、健太郎くんの部屋の前にルームサービスのワゴンがグワーッと並んでたことがある……(笑)」と、豪快(?)な思い出話が飛び出しました。

『遙か7』! 『アンジェ』新作! サプライズ発表が続々

笑いが絶えないバラエティーコーナーのあとは、キャストのサイン入りグッズが当たるプレゼントコーナーを経て、お待ちかねの新作告知!

『遙かなる時空の中で7』PVで攻略対象キャラクター“八葉”の名前と担当キャスト、主人公の情報がお披露目されると、客席からは大歓声が巻き起こりました。同作は2020年春、Nintendo Switch用ソフトとして発売予定です。

ここで同作に続投する安元さん&四反田さんが登壇。ゲーム収録はすでに始まっており、「スゲェ大変です! 量もさることながら、ストーリーもスゲェいい!」とは安元さん談。柳生宗矩のイラストを見て「これ、僕(の役)ですか!?」と驚いたということですが、その“ギャップ”にも何やら理由があるようです。

四反田さん演じる阿国は「サバサバ系で、いろんな人と仲よくできる」キャラクター。舞の名手で、追っかけがいるほどだそう(安元さん「帯刀しているのも気になりますね」)。

そしてあらすじを、安元さん&四反田さんの発案で、“キャラクター風”に読み上げてくれることに! PVではまだ音声が入っていなかったため、まさに“初出し”となりました。阿国は“きれいなお姉さん”風のはんなりと人当たりのいい雰囲気、そして宗矩はぽつりぽつりと言葉を選んで話すような“無口系”でした。

今回発表された情報だけでも、主人公がみずから異世界を訪れる、主人公は信長の娘(!)など、気になる要素が盛りだくさん。果たしてどのような物語が綴られるのか……今後の続報もお楽しみに!

『遙か』チームと入れ替わりでステージに登場したのは速水さん。ネオロマンスの25周年はつまり『アンジェリーク』の25周年ということで、速水さんが『アンジェリーク』25周年のナビゲーターに就任することが明かされました。そこに岩田さんが速水さんへお祝いの花を持って登場しました。

その最初のお仕事は、『アンジェリーク』新作制作決定のお知らせ!  “第三の宇宙”を舞台にした新作が、2020年にNinteno Switch用ソフトとしてリリースされることが発表されました。

岩田さんは「何よりも嬉しかったのが、コーエーテクモさんの『アンジェリーク』愛。大切に思い続けてくれているんだなということがわかりました。(新作は)新しい宇宙が舞台となりますがちゃんと神鳥の宇宙、聖獣の宇宙ともつながっています」と感無量の様子で熱弁。速水さんいわく、新たな守護聖のなかにはジュリアスに憧れてやまない人もいるとか……!?

気になる続報や詳細は、今冬より順次、解禁予定。ぜひお楽しみに!

30周年、40周年の未来へ向けて、新たな歴史が始まる!

加えて新たなイベント情報が告知されたあとは、お待ちかねのライヴコーナー後半戦! “レジェンド”たちによる貴重なパフォーマンスも数多く見られ、1曲ごとに大歓声が上がっていました♪

『lovesick』ゼフェル(CV.岩田光央)

『爛漫の嵐を抱け』藤原幸鷹(CV.中原 茂)&翡翠(CV.井上和彦)

『花ノ守』水嶋悠人(CV.水橋かおり)

『太陽への階段 ~Message of Silence~』ジュリアス(CV.速水 奨)

エンディングでは各キャラクターから甘いメッセージが贈られるとともに、キャストが巨大クラッカーを鳴らして〆! 鳴り止まない拍手に応えるかたちでアンコールの幕が上がり、全員で『Promised Rainbow』を歌います。

さらにWアンコールでは、『僕たちのAnniversary』も披露! シリーズタイトルを彩ってきたキャストたちが、何度も「ありがとう」と感謝を述べながら笑顔で歌う様子に、思わず胸が熱くなりました。

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1994年、『アンジェリーク』から幕を開けたネオロマンス、ひいては乙女ゲームの歴史。つねに乙女ゲームの第一線を走り続けるネオロマンスだけに、出演するキャストも熱い想いを抱いていることが、コメントのひとつひとつから伝わります。

新作も発表され、25周年という大きな節目であると同時に、新たな第一歩とも言える今回のイベント。ネオロマンスが30年、40年、50年と続いていく未来へ向けた、歴史的な一夜となりました。

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イラスト/船鬼一夫

キャラクターデザイン/ハチロクハチコ オリジナルキャラクターデザイン/由羅カイリ キャラクターデザイン/水野十子・呉由姫・由羅カイリ・琥狗ハヤテ

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撮影/大山雅夫