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若山牧水 声: 宮下栄治
武器 派閥
代表作 海の声 別離 黒松
回想 お目出たき人 破戒 D坂の殺人事件

酒を一日一升吞むという噂の酒豪の歌人で、仙人めいた雰囲気と酒好きらしい豪快さを併せ持つ。酒ばかり飲んでいるせいか体がいつも熱っぽい。特に大きな悩みもないようで、愛用のひょうたんを片手に自然に咲く花を眺めては幸せそうに溜息をつくところがしばしば目撃されている。恋に対して情熱的な時期があったらしい。

モデルになった若山牧水はこんな人!

筆名:若山牧水
本名:若山繁
出身地:宮崎県東臼杵郡東郷村
生年月日:1885年8月24日
没年:1928年9月17日(満43歳没)

生涯

医師・若山立蔵の長男として誕生。

中学校時代から短歌と俳句を始め、18歳のとき牧水を号するようになった。

1904年に早稲田大学文学科に入学。北原白秋、中林蘇水とともに“早稲田の三水”と呼ばれた。

1909年に中央新聞社に入社するが5カ月で退社し、尾上柴舟に弟子入りする。

1911年に創作社を興し、詩歌雑誌『創作』を創刊。

1920年に沼津の自然に魅せられて移住。

1927年に朝鮮揮毫旅行を行うが、体調を崩して帰国。翌年全身衰弱ののち、病没した。

作品の特徴

「われは海の声を愛す。

潮青かるが見ゆるもよし見えざるもまたあしからじ、遠くちかく、断えみ断えずみ、

その無限の声の不安おほきわが胸にかよふとき、われはげに云ひがたき、

悲哀と慰籍とを覚えずんばあらず。」(『海の声』より)

戦前に本を代表する歌人のひとり。

旅をこよなく愛し、さまざまな歌と紀行文を残した。

とくに自然の風景を好み、静岡県主導の千本松原保存運動に反対運動を行い、断念させたという逸話がある。

人間関係

【北原白秋】

早稲田大学での同級生。

歌人仲間で、早稲田の三水と呼ばれた。

【石川啄木】

友人。

石川の臨終の席を看取った。

趣味・嗜好

【酒好き】

1日に1升の酒を飲んだといわれるほどの酒好き。

死因は肝硬変であったが、夏の暑い盛りに死亡したにも関わらず、しばらく経っても死体から腐臭がしなかった。

このため医師は生きたままアルコール漬けになったのではないかと驚いたという。

【恋愛観】

園田小枝子と情熱的な恋愛をしたことでも知られる。

小枝子と交際して結婚を迫った若山だが、小枝子はなかなか返事をくれなかった。

というのも、実は小枝子は人妻で、2人の子供がいる身だったからである。

嫉妬に狂った若山はヤケ酒を飲み、苦悩の末に5年間の交際に終止符を打つ。

同年、歌人であった太田喜志子と出会い、自分を救ってくれと言って唐突に求婚した。

喜志子との仲は睦まじく、若山の死後も彼の雑誌『創作』は喜志子に受け継がれることになる。

代表作

『海の声』
第一歌集。

海の風景を写実的に、かつ心情をたっぷりと交えて描写した詩は圧巻。

『別離』
『海の声』と第二歌集『独り歌へる』をベースに、新作を加えて発表された歌集。

『黒松』
死後に発行された第15歌集。

生前書名が決めてあったものを、妻の喜志子が整理して、没後10年を記念して刊行された。

もっと詳しく知りたいなら?

若山牧水記念文学館

出生地の日向市にある記念館。

沼津市若山牧水記念館

若山臨終の地・沼津に建設された記念館。

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