アーティストデビュー10周年を彩る“EXCITING!”な公演

2018年6月、兵庫・ワールド記念ホール、埼玉・さいたまスーパーアリーナ、愛知・日本ガイシホールにて開催された、声優アーティスト・宮野真守さんのアリーナツアー“MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~”

6月10日に開催され、約17000人を動員したさいたまスーパーアリーナ公演のオフィシャルレポートが到着しました。

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撮影:上飯坂一(以下同様)

今年アーティストデビュー10周年を迎え、自身の誕生日である6月8日に初のベストアルバム『MAMORU MIYANO presents M&M THE BEST』をリリースしたばかりの宮野さん。本ツアーでは、ベストアルバム収録曲の披露はもちろんの、これまでの軌跡をたどるかのようなさまざまな演出があり、まさに10周年にふさわしい公演となりました。

オープニングムービーでは、飛行機が飛んでいく映像と共に“X”を模したステージセットが浮かび上がります。続いて宮野さんがバスローブを脱ぐというサービスシーンに歓声が上がったあとは、飛行機から降り、向かった先は……この舞台! スタンバイ中の生中継映像へとつながる演出でした。

宮野さんみずからバンド、ダンサーをステージへと送り出すと、自身はとある場所へ。すると、バンドの演奏が止んだつぎの瞬間、火花とともにポップアップでステージへ颯爽と登場します。

大きな歓声が上がる中、「Come On!」という宮野の声をきっかけに、10周年記念ソングとして制作された新曲『EXCITING!』が披露されました。

“10周年をともに楽しもう!”というコンセプトで制作されたというこの新曲。その言葉通り、1曲目から特効の炎があがる中、キレのあるダンスと「こっち!」という掛け声にあわせた左右を指す振りに、観客も楽しそうについていきます。

続く『SHOUT!(Dirty Orange REMIX)』では、ダンサーが持つ鎖に絡むようなパフォーマンスを行っていたかと思うと、気づけば四方からつながれている状態に。そしてそれをサビの頭で歌いながら力強く引きちぎるという、“SHOUT!”を体現するかのような姿に、さらなる歓声が上がりました。

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3曲目『BREAK IT!』は、この公演でのみ披露された楽曲。宮野さんからの「せーの!」という声に応え、会場には何度も「BREAK IT!」の声が響きました。

白い衣装に着替えた宮野さんが4曲目に歌ったのは、ライブでは久しぶりの披露となった『ヒカリ、ヒカル』。せり上がる階段の上で永遠の愛を優しく歌い上げます。

続く『そっと溶けてゆくように』は、現在放送中のTVアニメ『デビルズライン』のエンディングテーマ。ときにせつなそうな歌声と表情、そして情熱的なダンスが印象的な1曲です。曲のラストには、アカペラで奏でる宮野さんの美しいビブラートと息遣いが響き渡り、拍手が巻き起こりました。6曲目『THANK YOU』では、これまでの雰囲気と変わり、たくさんの笑顔が花咲きます。

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「ありがとう!」と言葉を残して一旦ステージをあとにすると、宮野さん黒い衣装に着替えて再登場。「ここからはバラードコーナーです」という言葉とともに披露されたのは『…君へ』。ピアノの音色に寄り添いながら歌を紡いでいく姿に、会場も引き込まれていきます。

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「初めて単独でさいたまスーパーアリーナに立たせて頂いております。皆さんが10年間支えてくれたからこそ、この一歩があるんだと思います」とファンへの感謝を述べ、「今日はみんなのためだけのライブをくり広げたいので、さいたまスーパーアリーナのためだけに用意した曲を歌いたいと思います」と話した後、披露されたのは『Beautiful Life』。語りかけるような歌声や、「ねぇ君は今も笑えてるかな…?」と歌ったあと、ふと天を仰ぎ優しく笑うその表情に、温かい気持ちに包まれました。

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ベストアルバムをリリースし、16枚のシングルを振り返ることで「年輪を重ねたいまも悪くないな」と思ったと語る宮野さん。さらにファン投票により選ばれたDISC-2の収録曲にバラードが多かったことは、デビュー時より大切な軸のひとつとして捉えていた宮野さんにとっても嬉しかったようです。

つぎに披露されたのが、この投票で第1位となった『MOONLIGHT』。星空と大きな月をバックに囁くように歌い上げ、客席に手を振りながら微笑む姿も見られました。

宮野さんライブ恒例のバラードコーナーに続いては、こちらもおなじみのムービーコーナーへ。

これまでさまざまなキャラクターが誕生したこのコーナーですが、今回登場したのは、その中でも圧倒的な存在感を放っていた永遠の16歳アイドル“雅マモル”。上下薄い色のデニムでショートパンツという独特なスタイルが特徴の雅も10周年を迎えたとのことで、これまでの歴史を振り返るドラマ仕立てとなっていました。

ここでは雅が所属する事務所“ハイテンション”の社長・ちゅるりら健一役として鈴村健一さんが、ライバル役の落雷孝宏役として櫻井孝宏さんがゲスト出演し、会場では大きな歓声が上がりました(過去のムービーで高木俊さんが演じたキャラクターが一堂に会すシーンも!)。

最後には“EXCITING!”な新曲『激パインティング!』を披露し、秘密を暴露するというその歌詞に会場では何度も笑いが起こっていました。

そして、ちゅるりら健一からの投げキッスシーンに続くように、10曲目『Kiss×Kiss』のイントロがスタート。トリコロールカラーの衣装に着替えた宮野さんがトロッコに乗って登場し、笑顔で手を振りながらアリーナ外周を進んでいきます。続く『オルフェ』では、客席が一斉に緑色に。

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つぎに披露された12曲目の『NEW ORDER』では、ダンサーとともに激しいダンスで観客を魅了。力強く空を蹴り上げるパフォーマンスに歓声が上がっていました。

白い衣装にブーツスタイルで披露されたのは『Magic』。今回、演出の見所のひとつとなった楽曲です。

メインステージ後ろにある2モニターの真ん中に立つと、宮野さんの振りに合わせ、モニターに光や鳩などさまざまなものが飛び出します。そして間奏部では、これまでのライブの1着目の衣装を着た宮野さん12人が登場、全員でシンクロダンスを披露! 最終的には真ん中の宮野さんへと吸い込まれていくという映像で、現在へと連なる10年間の歩みが表現されていました。

そして最後は、まるで瞬間移動したかのように宮野さんがサブステージから登場するというサプライズ。1曲を通して、まさに魔法にかけられているかのような不思議な時間がくり広げられました。

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続く14曲目『GOLDEN NIGHT』では、頭上でミラーボールが回る中、「いくぞー!」という掛け声や扇子を振りながら観客を煽っていく宮野さん。歌詞にあわせ、客席から「Just only you」の大きなコールも飛んでいました。

15曲目『シャイン』では、ジャケット写真の色味と同じく会場が青と白に染まる中、ポンポンを持って踊る姿や満面の笑顔に、観客も思わず頬が緩みます。

「アリーナツアーができていること、本当に信じられません。そんなこと思ってもみなかった、10年前は」と当時の様子を話した宮野さんは、「役者だからこそできるアーティスト活動ってあるんじゃないかとずっと考えてやってきました。その結果がエンターテインメントのステージだったんです」とライブへの強い想いを語ります。

さらに、「たくさんのクリエイターさんとの出会いでアーティストとしての一歩も踏み出すことができて、自分のポリシーを持って続けてきたらビジョンがどんどん広がっていって。アーティスト宮野真守として、自信を持っていまここに立っています」と10年での自身の成長を話してくれましたが、やはり何より「楽しみに待ってくれるファンが支えだった」と改めて客席に向けて感謝を述べました。

本編最後に披露されたのは、デビューシングル『Discovery』。冒頭の「見つけ出して 迷いながら僕たちが焦がれた空の彼方へ」の一部はアカペラで歌われ、宮野さんが目指してきたことが形になった10年、そしてこれからも前を向いて進んでいくという強いメッセージを感じさせます。

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鳴り止まない「マモ」コールに応え、宮野さんがトロッコに乗り再登場。アンコール1曲目は『J☆S』です。「Just Smile」の意味を持つ曲の通り、宮野さんは終始笑顔で「ありがとう」と言いながら観客に手を振り続けていました。

「“EXCITING!”の本編は終わったので、ここからは自由だー!」と叫ぶとサブステージへダッシュし、寝転ぶ宮野さん。そして“TEAM MAMO”との“EXCITING!”振り返りトークをくり広げる中、ダンサーFUMIさんは、10周年のお祝いとして、これまでのライブタイトルや宮野さんの座右の銘でもあり、ファンクラブ名でもある“Laugh & Peace”を歌詞に入れたラップを披露し、会場を盛り上げてくれました。

しかし本当のサプライズはここから! 「僕たちからのプレゼントがあります!」というFUMIさんの掛け声を合図に、宮野さんの楽曲『Happy Happy Birthday』が流れ出し、大きなケーキが登場。宮野さんが6月8日に迎えた誕生日を祝うため、ファンの大合唱にあわせて宮野さんがロウソクを吹き消すと、レーザーで“Happy Birthday”の文字がステージ地面などに映し出されます。

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「すごーい!!」と驚きを見せる宮野さんの姿に、客席からも多くの「おめでとう!」の声が。それを受けて「もう歳を取るのもあんまりおもしろくないなぁと思っていましたが、こうやってみんなに祝って頂けると、なんて幸せなんだろうって思いました」と喜びを語っていました。

「いっしょに楽しんでくれますか? いっしょに歌ってくれますか?」と観客へ言葉を投げかけたあと、この日最後に披露されたのは『POWER OF LOVE』。宮野さんの歌声に呼応するように、真っ白に染まった客席から「Power of love」の声が何度も鳴り響くフィナーレとなりました。

かき回しでも宮野さんらしいお茶目の姿が見られましたが、「みんな大好きだぜ!」という言葉のあと、最後は深々と長いお辞儀を行い、ステージから去るその瞬間まで名残惜しそうに「ありがとうございました!」と感謝を伝えていました。

これからもファンに多くの“POWER OF LOVE”を与え、そしてファンに与えられながら、新しい“Discovery”と“EXCITING!”を求めて“Non Stop”で進化し続ける――そんな“アーティスト・宮野真守”が凝縮された公演は、大熱狂のままに幕を下ろしました。

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セットリスト

MAMORU MIYANO ARENA LIVE TOUR 2018 ~EXCITING!~
2018.6.10 さいたまスーパーアリーナ

OPENING MOVIE
1. EXCITING!
2. SHOUT!(Dirty Orange REMIX)
3. BREAK IT!
EXCITING! Special Remix #1
4. ヒカリ、ヒカル
5. そっと溶けてゆくように
6. THANK YOU
EXCITING! Special Remix #2
7. …君へ
MC
8. Beautiful Life
MC
9. MOONLIGHT
SPECIAL MOVIE
10. Kiss×Kiss
11. オルフェ
12. NEW ORDER
EXCITING! Special Remix #3
13. Magic
14. GOLDEN NIGHT
EXCITING! Special Remix #4
15. シャイン
MC
16. Discovery

EN1. J☆S
MC
EN2. POWER OF LOVE

<Photo by 上飯坂一>