第1弾はいまだ根強い人気を誇る1作をフィーチャー♪

さまざまなテーマで乙女ゲームの歴史や魅力を紐解く不定期連載“乙女ゲームLabo”

第3回のテーマは“夏休みに遊びたい乙女ゲーム”

3人のライターがそれぞれ“夏休みに遊びたい乙女ゲーム”を1作品挙げ、オススメポイントをプレゼンテーションしていきます☆

8月も半分が過ぎてしまいましたが、まだまだ夏は終わらない! 酷暑の夏は、おうちでゆっくりゲームをして過ごしてみてはいかがでしょうか?

3日連続更新の第1弾は、『夏空のモノローグ』に注目します♪

この夏、明日への背中を押して。

Text by ライターそのだ

『夏空のモノローグ』
【発売日】2010年7月29日発売
【ブランド】オトメイト
【対応機種】PS2
※PSP版は2013年3月、スマートフォン版は2017年5月に発売

『夏空のモノローグ』3つのオススメポイント!

(1)それぞれの想いが明かされていく切ない物語
(2)ツリーピースで明かされるもうひとつの謎
(3)きっと胸に残る、鮮やかな夏空と淡い恋模様

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全国の土岐島高校出身の皆さん、こんにちは!

今年の7月29日はどのように過ごしましたか?

この時期が近付くとドキドキしたり、あの独特の懐かしい気持ちになる方も多いのでは? と思います。

今回オススメする『夏空のモノローグ』は、2010年にオトメイトから発売された乙女ゲーム。PS2からPSPへの移植を経て、現在はスマートフォン版としてもリリースされています。

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物語の舞台は土岐島市

ここは、美しい海と山に囲まれたどこにでもありそうな田舎町です。

30年前に突如現れた“ツリー”を除いては――。

出現当時、正体不明の超高層建築物として全国を騒がせたツリー。

しかし時が過ぎ、その存在を気に留める人はほとんどいなくなりました。

寂れた観光資源として、いまは町の片隅に忘れ去られたように残っています。

そんなツリーの観測に向かった土岐島高校科学部のメンバーたち。

この科学部は7月30日をもって廃部が決定しており、部員たちにとっては7月29日の観測が最後の活動となる予定でした。

ところが、“ツリーが歌い出した”ことによって、7月29日はループを始めるのです。

歌い出すってどういうこと!? なぜループが始まるの!? と疑問に思われる方も多いと思いますが、その真相はぜひ、ゲームをプレイして確かめてみてください……!

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このループに巻き込まれた主人公の小川葵

彼女は1年前に原因不明の記憶喪失になり、人に深く関わることを避けてきました。

そんな葵が唯一心を開けたのが、同じ科学部の木野瀬一輝加賀 陽沢野井宗介篠原涼太、そして顧問の浅浪皓

彼女はツリーの観測を機に、彼らとともに7月29日をくり返すようになります。

ときに夏を満喫したり、ときに青春したり、ときに実験(!?)したりしながら、本当はとうに終わってしまうはずだった科学部最後の1日を過ごします。

あらすじを説明するだけで、切なさで胸がいっぱいになってしまう『夏空のモノローグ』……。

深く語るとネタバレになってしまうのですが、ある人はループが終わらないで欲しいと強く思っていたり、ある人には叶えたい願いがあったり……。それぞれが胸に秘めた思いが明かされていく過程も必見です。

そんな本作の個人的に大好きなルートは、科学部のムードメーカー、カガハルくん

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日常的に葵に告白(&プロポーズ)をしてくるカガハルくんですが、どうして彼がそこまで彼女のことを深く想っているのか。その理由に驚き、また彼が気持ちを言葉にしてくれることに胸を打たれたルートでした。

もちろん、他ルートもとっっても良い&ここでは書けない綿森くんのルートはぜひプレイしてみてください!

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“明日”は誰にでも平等に、そして当たり前のように来るものです。

ですが、悲しいことやつらいことがあったとき、それを迎えることを怖く思う瞬間もあります。

『夏空のモノローグ』はそんな気持ちに寄り添って、「悪いことだけじゃない」、「もしかしたらいいことがあるかも」ほんの少しの勇気をくれる作品のような気がしてなりません。

きっとあなたの胸にも残る、鮮やかな夏空と淡い恋模様。

平成最後の夏におすすめしたい、最高の1本です。

(C)2010 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

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