前作のエピソードから続編のヒントまで

ONE氏による人気コミックを原作にした舞台『モブサイコ100』の続編が、舞台『モブサイコ100』~裏対裏~として、2018年9月13日より順次、東京・神戸で開幕!

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前作は同年1月に上演され、世界観の再現度や、TVアニメ版でモブ(影山茂夫)役を務めた声優・伊藤節生さんが同じくモブ役として出演することでも話題となりました。

今回は続編の上演を記念して取材を敢行! ともに続投する、モブ役・伊藤節生さんと“師匠”霊幻新隆役・馬場良馬さんにインタビューを行いました。

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▲伊藤節生さん(写真左)、馬場良馬さん(写真右)

果たして続編ではどんな物語がくり広げられるのか、そのヒントが隠されているかも!? 前作上演時のエピソードとあわせてお楽しみください!

舞台『モブサイコ100』~裏対裏~は、9月13日~17日に東京・天王洲 銀河劇場、9月20日~23日に兵庫・新神戸オリエンタル劇場にて上演予定です。

伊藤さんは「素敵な座長でした」

――まずは前作を振り返ってのお話をうかがいたいと思います。伊藤さんからご覧になった、馬場さんの“師匠”ぶりはいかがでしたか?

伊藤 100点満点で100点、120点ですよ!

馬場 急な営業トーク始まったな(笑)!

伊藤 いやいやいや! 最初はアニメの印象が強く、僕の中の『モブサイコ100』像ができあがっていたので、変な話、「アニメに似ているほうが完成度が高いのかな?」って勝手に思ってたんです。でも馬場さんだけじゃなくて、皆さん自分なりのアプローチをしながら「あ、こういう面を見せてくるんだ」というところがあって、それに全部納得できちゃいました。だから「なんでもアリだな」って(笑)。馬場さんの師匠も、ふつうに「師匠だ!」って思いました。師匠ってとくに、締まるところは締まるんです。カッコイイことを言うシーンがキマっていると、「師匠、ありがとう!」って(笑)。

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――舞台を経て初めて発見した師匠の一面はありましたか?

伊藤 アニメ版の師匠は、けっこう大人なんですよね。マンガやアニメってモノローグでは言葉だけが流れてくるじゃないですか。でも舞台の場合は、ナレーション中もばばりょさんがその演技をしてくださるんです。それを見ていると「あ、師匠もけっこう焦ってるんだな」と気づきました。「周りが中学生だから大人だけど、よく考えたら20代だしなぁ」って(笑)。

馬場 中学生から見た大人ね(笑)。

伊藤 大人なんですけど、社会一般から見てすごく大人かと言われたらそこまで大人でもなく、ちょうどいいラインというか……。我々と同じ目線くらいの人だったりするので、一気に共感できました。これは舞台ならではの気づけたことですね。

――一方、舞台役者の先輩として、馬場さんからご覧になった伊藤さんの座長ぶりはいかがでしたか?

馬場 最高の座長でした。

伊藤 いやいや、営業トークじゃないですか(笑)!

馬場 (笑)。せっちゃんは「初めてなので右も左もわからなくてすいません」みたいに言っていましたが、全然そんなことなかったですよ。もちろん『モブサイコ100』の世界観は誰よりも熟知しているし、伊藤節生としての人間性で、目の前のものに向き合って真剣に取り組む姿はやっぱり周りの人の心を動かします。せっちゃんが一生懸命モブとしていることで、周りが必然的に引っ張られるというか……。素敵な座長だったなって思いました。

――伊藤さんは前作が初舞台とのことですが、舞台上からの景色はいかがでしたか?

伊藤 何というか、「お客さんの存在ってここまで感じちゃうんだな」って。役者は舞台上でのストーリーにいなきゃいけないはずなので、あまり客席を気にするべきではないと思うんですけど……とくに僕の場合、初登場がお客さんのほうを向いて電話でひとりでしゃべっているシーンだったので、(客席が)見えちゃうんですよ(笑)。舞台の最初のほうに自分の手を見るシーンがあって、その手がガッタガタに震えているのが自分でもわかりました……(苦笑)。「こんなに緊張したことないかもしれない!」ってくらい緊張していました。そういう意味で、最初のほうは「このまま14公演、大丈夫だろうか……」という気持ちが強かったですね(笑)。

――馬場さんは、そんな伊藤さんを傍でご覧になっていたわけですが。

馬場 「緊張してます」と言いますが、イヤイヤイヤ。エクボとのやりとりでせっちゃんがドSっぷりを発揮してなだぎ(武)さんを困らせているのを見て、「いやいやいや」と。「緊張ホントにしてんのか!?」ってくらい、しっかりしてました(笑)。もちろん最初の1公演2公演は緊張していたんでしょうけど、それよりも僕の印象としては「瞬間瞬間のライブ感を楽しんでいるなぁ、いい役者さんだな」と思っていました。そんなに震えていたとは(笑)。

――伊藤さんは初演の前に、「笑わないようにするのが大変そう」とおっしゃっていましたね。

伊藤 仮面をかぶった男が動きまわっているシーンは、1回だけ背中を向けられるんですけど、その瞬間にグッと取り戻して真顔で戻る……みたいな(笑)。師匠のシーンで1ヵ所だけ笑いそうになったのは、脳感電波部の部室にいないはずなのに、師匠がお菓子を取るシーンで、1回師匠がお菓子を落として転がっていったことがあって(笑)。あれはちょっと笑いそうになりました。「日替わりネタ、今日はこう来たか~」って(笑)。

馬場 いちばん焦ってたの、俺だからね(笑)! (舞台が)坂だから、めっちゃ転がっていく(笑)。

――舞台があったからこそ見えてきた、モブ、霊幻それぞれの新たな一面はありますか?

伊藤 モブくんは、作品全体を通して見ると周りに影響を受けて成長しているんですけど、マンガやアニメでは「ホントに影響されてるのか?」と思うくらい淡々としています。でも、舞台で演じてみたら、けっこう周りに反応していたんです。そうして見ると、「こういうことがあったから脳感電波部と仲よくなって影響を受けたんだな」とか、そういう“つながり”が強く見えました

馬場 マンガを読んでいるだけでは気づかなかったのですが、やっぱり霊幻もモブに依存しているんだなとは思いましたね。モブが“霊とか相談所”にいてくれる安心感がありました。脚本上も霊幻はモブといっしょにいることが多いんですが、セリフにはない部分で、その画以上に、プラトニックな部分で依存しているんだなとすごく感じました。

気になる続編のストーリーは?

――さて、続編ではどのようなストーリーが描かれるのでしょうか?

馬場 モブが客席の上を飛びます。

――フライングですか……!?

馬場 嘘です(笑)。

伊藤 いま、「マジかー」と思いながら心構えしちゃった(笑)。今回は、原作的にも前作からの続きに沿ってはいきますが、空気としては前作のワチャワチャッと賑やかなシーンから一転、とくに律くん周りがどうなるのか……というストーリーになります。

馬場 律の話ではありますが、今回僕がおもしろいなと思ったのが、ショウが出るということでちょこっとだけ舞台オリジナルのシーンがあるんですよね。意外にしっくりきていて、また新しい関係性が生まれてくるんじゃないかなと思います。

――それでは、前作よりもパワーアップしたところはどこですか?

伊藤 超能力のシーン! 前回は前回でおもしろかったと思うんです。でも今回は別の意味で、超能力のシーンは「本当にこうなったらおもしろいな」と思っている部分があって。めっちゃ言いたいんですけど、本番まで楽しみにしてください(笑)。皆さん「超能力、どうするんだろう?」って思っていると思うんですよ。それが「こう来たか!」みたいな。

馬場 まさかせっちゃんが本当に超能力を使うとはね。

伊藤 そうなんです、最近マジックの動画を見て勉強……いやいや(笑)。

――馬場さんはいかがですか?

馬場 今回は作品の世界観が広がっています。前回は“霊とか相談所”と学校がメインだったんですが、そこから飛び出して誇山や密裏が出てきたり、作品の世界観がもうひとつ上がって、新しい濃いキャラクターがいま続々と形成されています(笑)。それから、今後のことはまだわからないですが、「もしつぎがあったら……」みたいな伏線もあるので、稽古をしながらそういうところでも勝手にワクワクしちゃう自分がいます!

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隅々まで見逃せない濃いキャラたち

――おふたりのオススメシーンというのは?

伊藤 皆さん注目せざるを得ないんですけど、150%の部分は間違いなく完璧におもしろいと思います(笑)。最初に台本を読んだときは、『モブサイコ100』的コメディシーンが思ったより少なく感じたんですよ。でもそれは台本上の話で、稽古をしているなかでどんどん増えてきました。今回は律のストーリーが重めななかで出てくるクスッと笑える場所は僕も好きですし、そういうのがあるとお客さんもひと息つけると思うので、オススメのシーンは……脳感電波部ですかね。

馬場 健在だね(笑)。

伊藤 彼らの存在の安心感たるや(笑)。

馬場 ネタを見たときに「あ、帰ってきたな」って思ったもんね(笑)。

伊藤 台本にまったくなかったのに突然ネタをやり始めて、初めて見たときはびっくりしましたもん。「ハケない!」って(笑)。

――馬場さんのオススメシーンはどこですか?

馬場 前回もそうでしたが、メインのキャラクターじゃない、リアルなモブキャラの濃さは今回も健在なのかなと。今回、女性キャストがひとりしかいないんですよ。でも学校のシーンには女子も複数出てきたりして、それもコッテリ味付けされていて……(笑)。

伊藤 なんせ、前回の舞台で話題になったのは、“信者1”ですからね(笑)。「あの仮面の、何言ってるかわからない人」って……。

馬場 そういうキャラが活き活きし出すのがこの舞台のよさですね(笑)。番長も濃そうだしね。

伊藤 学校のシーンは本当に、いろんなモブキャラがいるんですけど、そのキャストがどれも本当におもしろくて! 教師も絶対おもしろくなるって思ってます(笑)。

舞台ならではの笑いは劇場で味わうのがいちばんです

――では、おふたりが続編で挑戦してみたいことを教えてください!

伊藤 僕は“カッコよく見せること”です。前回もかっこいいシーンはあったのですが、今回は本格的な戦闘シーンがあります。弟を目の前にした兄としてのモブくんとして、カッコよくいようと! なんとかがんばって、カッコよさを出したいなって思ってます(笑)。

馬場 僕は、スーツを破かない……こと(笑)。前回、破けそうになったんですよ! 衣装さんが用意してくれたスーツがいいスーツだったので、破いたら大人なのに怒られるな……と。今作もスーツがけっこうタイトでスタイリッシュなヤツなので、破……かない。

伊藤 激しく動くとすれば霊幻の必殺技のシーンじゃないですか?

馬場 それか、破くか。どっちかだよね。

伊藤 あえて(笑)!?

――最後に、舞台『モブサイコ100』の魅力を教えてください!

馬場 前作のBlu-ray&DVDも絶賛発売中ではありますが、舞台『モブサイコ100』って実際に劇場で観て頂いたほうが共有できる笑いがけっこうあるんです。映像だとひとつ画面を隔てることで、どこかスッと見ちゃうので、くだらない笑いとかは劇場に来てくれたからこそ共有できると思います。お客さんと舞台『モブサイコ100』の世界を作っていく一体感は本当に素敵なので、ぜひ! 舞台『モブサイコ100』は生で観てください! この舞台はとくに、カメラに映っていないところでもワチャワチャやっているので(笑)。そういうものも含めて、生で観て頂けたらいっしょに楽しい時間を過ごせると思います。

伊藤 『モブサイコ100』という作品にあるギャップ的なおもしろさ……シリアスなシーンでもところどころに笑いがあったり、笑いのシーンでもところどころに心をつくセリフがあったり、そういうおもしろさはもちろん舞台で引き継いでいきます。ですが、マンガやアニメとは違って、その空間のキャラクターたち全員がその場に生きているのが舞台の魅力だと思うので、映像ではなく劇場に来て楽しんで頂きたいですし、いっしょに笑ってほしいです。アニメやマンガ、DVDという完成されたものではなく、その場で空気が動いている、劇場ならではの笑いと楽しさとハラハラ感を、ぜひ劇場まで足を運んで頂いて……何度も足を運んで頂いて(笑)。

馬場 つぎにつながるようにね!

伊藤 (笑)。ぜひ楽しんでください。よろしくお願いします!

公演概要

【タイトル】舞台『モブサイコ100』~裏対裏~
【原作】ONE『モブサイコ100』(小学館『マンガワン』連載)
【脚本・演出】川尻恵太(SUGARBOY)
【キャスト】伊藤節生/河原田巧也、松本岳、平田裕一郎、大海将一郎、星乃勇太、末永みゆ、兼崎健太郎、なだぎ武/永田聖一朗、神里優希、和成、平尾健蔵/馬場良馬 ほか
【公演日程】
・東京(東京:天王洲 銀河劇場):2018年9月13日(木)~17日(月・祝)
・神戸(新神戸オリエンタル劇場):2018年9月20日(木)~23日(日)
【チケット価格】一般席、見切れ席:7800円[税込]
⇒申込ページはこちら
【主催】舞台『モブサイコ100』製作委員会 (マーベラス、小学館、ビクターエンタテインメント)

(C) ONE・小学館/舞台『モブサイコ100』製作委員会