総勢26名のオトメイトクリエイターに迫る!

10年以上にわたり、女性向けゲームを制作する“オトメイト”ブランド。

これまでさまざまなプラットフォームで作品を輩出してきたオトメイトのNintendo Switch参入を記念して、B’s-LOG.comではオトメイト特集をお届け!

第2弾企画として、オトメイト作品に関わるクリエイター26名に一斉アンケートを実施。

イラストレーターからディレクター、シナリオライターまで……乙女ゲームの制作で大切にしていることから“スイッチ”になったと思う作品など、4つの質問とその回答をまとめました。

乙女ゲームファンはもちろん、ゲーム業界・クリエイターを目指す人も必読です!

記事は6日連続、全6回で掲載予定。第1回では、渡邉渡氏、島れいこ氏、夏目ウタ氏のアンケートをお届けします♪

▼第1弾企画はコチラ!

渡邉渡氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

オフになっている間の方が短いくらいな気がしておりますので、常時オンでしょうか。新企画が動いているときはそんな感じになります。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚』

ディレクターとして初めての作品なので、売ること、制作することなど、いろいろと考えさせられました。

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(C)2016 IDEA FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

すでに多くの作品がある世の中では難しいことなのですが、この作品ならではのオリジナリティの部分を活かす世界観作りは大切にしております。あと、偏りが発生しないよう、つねにフラットな感覚で制作することは意識しております。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

オトメイトは今後、Nintendo Switchの展開となって参りますので、まずは移植作品からの展開でしたが、新作をこれから発表していくことで興味を持ってもらい、じわじわ広がっていくことを期待しております。

関連最新タイトルは……『オランピアソワレ』

【オランピアソワレ】表紙FIX0827

『ニル・アドミラリの天秤』シリーズのスタッフによる完全新作。

“色”をテーマに、“魂の半身”との出逢いを求める【白】の少女と、さまざまな男性キャラクターによる恋愛模様が描かれます。

【タイトル】オランピアソワレ
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】未定
【価格】6804円[税込]

(C)IDEA FACTORY

関連最新タイトルは……『ニル・アドミラリの天秤 色ドリ撫子』

ニルアド

PS Vita用ソフトとして発売された『帝都幻惑綺譚』とファンディスク『クロユリ炎陽譚』をワンパックにしたNintendo Switch版。

大正の帝都トウキョウを舞台に、数奇な運命に翻弄される少女を取り巻く嫉妬、憎悪、侮蔑、憐憫、そして愛が描かれます。

【タイトル】ニル・アドミラリの天秤 色ドリ撫子
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】発売中(2018年9月20日)
【価格】通常版:7344円[税込]、限定版:9504円[税込]、ダウンロード版:7344円[税込]

(C)2018 IDEA FACTORY

島れいこ氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

PCを使うときは100%仕事モードでそれ以外のことをしないので、PCの前に座ったときがスイッチです。

やる気が出るという意味では、新しいゲームのサントラを作業BGMにしたとき。ゲームをやっているときのドキドキワクワク感を思い出して、「自分もがんばるぞー」と気合いが入ります。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『S.Y.K ~蓮咲伝~』

どの作品も新たな感情を与えてくれるので難しいですが……ひとつに絞るならコレです。前作『S.Y.K ~新説西遊記~』のときはただ必死で手探りだったのですが、『蓮咲伝』では前作の反省をどう活かすか、どんなふうに新しいものを魅せたら喜んで頂けるかを考えることができたので、いまの作りかたの原点とも呼べるかと思います。

“創る”ことの楽しさや辛さ、自分がどういうものを好きなのかを教えてくれた作品ですし、そのつぎに制作した『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~』へのモチベーションにもなりました。いまでも、ときどきアニメ化した夢を見るくらい大好きな作品です。

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(C)2010 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

“おもしろさに疑問を持つこと”と、“ユーザーが遊ぶ姿を想像すること”です。前者はディレクターという統括の立場において、作品に隙がないかを考え続けるのは必要なことだと思っているのと、後者はひとりよがりにならないよう、できるだけなにも知らない状態のユーザーさんの立場にたって改めて作品を俯瞰的に見るようにしています。もちろん簡単にはできないことなので、そこを気をつけていても予想と違う反応もきますし、ダメなときはダメなんですが(笑)。

ただこれは乙女ゲームに限らず作品作りでは皆さんやってることかな、と思うので……乙女ゲームでのこだわりは“日常にある感情の動きを描くこと”でしょうか。ふとしたときに、「あ、これ私も同じこと思った」と、シンクロして頂けたら。全員に感じて頂くのは無理ですけど、やはり感情移入して頂くのがいちばん大事だと思っています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

いまはコンシューマーだけでなくソーシャルゲーム市場が拡大しているので、ソーシャルゲームの手軽さによって全体人口が増え始めているのではないかと思います。ただ、コンシューマーゲームを作る側としては、やはり今回の【オトメイト×Nintendo Switch】の展開が乙女ゲームにとって契機になることを願ってやみません。まさにスイッチがスイッチに……(笑)。いえ、本気で。

昔からコンシューマーゲームが大好きだったので、任天堂さんの新たなハードでゲームを作れることは、夢の到達点でもあり、可能性への挑戦でもあると思います。これからも「コンシューマーゲームっていいな」と思ってもらえる作品作りを目指していきます。

夏目ウタ氏(イラストレーター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

つねに仕事モードのスイッチはオンになっているのですが、デザインを描き起こしている中でかわいく描けたと思った瞬間、とくに筆が乗ってきます。なのでその瞬間が私にとってのスイッチが入ったときだと思います。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『S.Y.K ~新説西遊記~』

ちびキャラ原画として起用して頂いた『S.Y.K ~新説西遊記~』がやはり私にとっての大きな転換期だったと思っております。

当時はその作品のみを担当させて頂くものだと思っていて名前をイニシャル表記にしていたのですが、その後もありがたいことにちびキャラを描かせて頂く機会を与えて頂き、そしていまもこのように描き続けられているのは『S.Y.K』との出会いのおかげだと思っております。いまでも大好きな作品です。

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(C)2009 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

彩色にとくにこだわっています。

制作する作品やテーマによって意識するものは変わるのですが、例えば“透明感”、“柔らかさ”、“可愛さ”など、作品を見て頂いたときにここが素敵だと興味が沸くような塗り、そしてちびキャラに関しては“まるっこさ”など、自分自身が見てかわいい、集めたいと思うようなデザインになるよう、心がけながら制作することを大切にしております。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

プレイして頂く方のニーズに合わせたものをつねに追求し、それを表現(スイッチ)していくことだと思います。

関連最新タイトルは……『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Devote』

CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Devote
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2015年4月に発売されたPS Vita『CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Extime』に新規要素を追加したNintendo Switch移植版。

物語の舞台は、2010年秋。ひょんなことから問題児と噂される生徒たちと“課題”に挑むことになった主人公は、“現実”を侵食していく数々の謎に直面することとなり――。

【タイトル】CLOCK ZERO ~終焉の一秒~ Devote
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】2019年発売予定
【価格】未定

(C)2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

▼第1弾企画はコチラ!