キャストのピスメ愛に溢れた涙と笑いの舞台挨拶!

現在公開中の劇場アニメ『PEACE MAKER 鐵』後篇~友命~。ここでは、公開2週目にあたる2008年11月25日に東京・新宿バルト9で開催された、公開記念舞台挨拶のレポートをお届けします。

梶裕貴さん(市村鉄之助〈青年期〉役)、小林由美子さん(市村鉄之助〈少年期〉役)、立花慎之介さん(大和屋鈴 役)の3名が語る、作品への熱い想いとは……?

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▲左から、梶裕貴さん、小林由美子さん、立花慎之介さん。

本作は、激動の幕末を駆け抜けた新撰組隊士・市村鉄之助と、その仲間たちの生き様を描いた、黒乃奈々絵氏原作の『PEACE MAKER 鐵』を、前後篇からなる劇場アニメ化したもの。

2018年6月に公開された前篇『PEACE MAKER 鐵 ~想道~』に続き、後篇にあたる本作が、11月17日に封切られました。

客席の涙を笑いに変えた衣装トーク

本編上映の直後に登壇したキャスト陣。まだ涙の余韻が残る観客の表情を見た梶さんは、「この作品のメッセージが伝わった」とコメントし、上映後の複雑な感情に深い共感を示します。

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続く小林さんも「いっしょに涙を流しながら語り合いたいと思って来ました」とコメント。鉄之助カラーである赤を意識して選んだはずの衣装が、季節柄、陽気なクリスマス風になってしまったことを慌てて反省する小林さんのおかげで、ようやく会場に和やかな笑いが起こります。

一方立花さんは、自身が演じる大和屋鈴が客席の涙の原因を作ったことから、「涙の責任は鈴であり、私ではありません。だからポップコーンを投げるのはおやめください!」と挨拶し、さらに上映後の空気を和ませました。

鉄之助と烝、背中合わせのシーンで感じた成長

15年前のテレビアニメから本作に出演してきた小林さんは、後篇の上映も感無量の様子。

15年の時を経て再び鉄之助や隊士たちに会えたことを「言葉では表しがたい。語りだしたら2時間くらいかかりそう!」と喜び、“ピスメ愛”を語ります。前篇より出番が増えた鈴について立花さんは、「うれしいのですが、物語としては鈴が出てくると複雑な気分になります……」と苦笑。

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梶さんは、後篇のサブタイトル“友命”にもつながる、鉄之助と友人・山崎烝(CV:櫻井孝宏)が背中合わせに会話する過去と現在のシーンが印象的だったそう。

鉄之助の「ごめんなさい」と、烝の「ありがとうな」という台詞に、キャラクターの成長を感じたと熱く語ります。ふたりの切ない展開について、目を閉じながら苦しげに「つらかったです」とつぶやく梶さんに、隣の小林さんも深々と頷いていました。

その背中合わせの過去の回想シーンを再び演じるにあたり、小林さんは15年前と演じかたを変えたと語ります。

当時は鉄之助目線でしたが、今回は烝が思い出を回想しているシーン。だからこそ、より烝に気持ちを寄せて演じたそうで、「大好きなシーンを、もう一度、違う角度で演じることができるなんて……!」と、心の底から喜んでいました。

すれ違う“それぞれの正義”に「一回話そう!」

立花さんは、鈴と沙夜のシーンが印象的で、一瞬時計の音が入る部分ではどう演じようか考えたのだそう。

また、鉄之助を苦しめる敵として描かれる鈴ですが、その根底には大切な人の命を“奪われた”という過去と、“好きな人の命を守るために敵の命をとる”という正義があると語ります。この時代ならではの“それぞれの正義”が描かれているところに、深く感じるものがあったと語りました。

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梶さんも、新撰組や幕末という時代ならではの“ズレとすれ違い”に注目

鉄之助と沙夜、鉄之助と鈴、新撰組と時代、それぞれの悲しいすれ違いが重なった結果、大きなズレになってしまったと語りました。

小林さんも、大好きで仲の良かった鈴の豹変について「まさかこんな風になってしまうとは……」と悲しみをにじませます。

鉄之助と鈴には深い絆があるだけに、ただ鈴を憎むこともできないという3人。「一回話そう!」「座談会しよう!」「カラオケにでも行って(笑)」と、口々に現代風の解決策を提案し盛り上がりました。

3人からファンへの感謝のメッセージ

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梶裕貴さん(市村鉄之助〈青年期〉役)

ドラマCDシリーズから参加させて頂き、こうして劇場版アニメとして成長した鉄之助を演じることができて、とても嬉しく思っています。彼にとって大切な人物である烝との別れのシーンを演じられ、彼から「ありがとうな」という言葉を聞けたことを光栄に思っています。鉄之助として、最後まで彼らと一緒に歩んでいきたいと思います。

小林由美子さん(市村鉄之助〈少年期〉役)

再び同じ作品で、しかも劇場版で演じられることができたのは、ずっと応援して頂いた皆様のおかげだと感じています。原作も続いていますし、まだまだ展開もしていくと思いますので、今後も応援を宜しくお願いいたします。

立花慎之介さん(大和屋鈴役)

劇場版の前後篇でひとつの幕を閉じましたが、まだ原作は続いていて、鈴としては、今後の物語が大きな転機となっていきます。これからも応援して頂ければ、この先の続きも見られるのではないかと楽しみにしています。

劇場版『PEACE MAKER 鐵』後篇~友命~作品概要

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【後篇キャスト】
市村鉄之助:梶 裕貴(青年期)/小林由美子(少年期)、土方歳三:中田譲治、沖田総司:斎賀みつき、山崎 烝:櫻井孝宏、市村辰之助:うえだゆうじ、永倉新八:山口勝平、原田左之助:乃村健次、斉藤 一:松山鷹志、島田 魁:岩崎征実、近藤 勇:土師孝也、沙夜:高橋美佳子、大和屋 鈴:立花慎之介、山崎 歩:永島由子
【スタッフ】
原作:黒乃奈々絵(掲載『月刊コミック ガーデン』/Webコミックサイト『MAGCOMI』)、監督:きみやしげる、脚本:梅原英司、キャラクターデザイン・総作画監督:小磯沙矢香、アニメーション制作:WHITE FOX

(C)黒乃奈々絵/マッグガーデン・PEACE MAKER 鐵 製作委員会