【記者会見レポート】美しく残酷な『イノサン』の世界をミュージカルで!

宮本亜門さん演出ミュージカル『イノサンmusicale』の記者会見が、2019年6月24日に東京・品川プリンスホテルで行われました。

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出演者からは古屋敬多さん(Lead)、梶裕貴さん、武田航平さん、太田基裕さん、浅野ゆう子さん、制作陣からは演出・宮本亜門さん、脚本・横内謙介さん、楽曲提供・MIYAVIさん、音楽監督・深沢桂子さんが出席。

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原作は、坂本眞一氏の人気漫画『イノサン』『イノサンRouge』(集英社)。
18世紀フランスを舞台に、国王ルイ十六世の斬首刑の指揮を執った実在の死刑執行人シャルル=アンリ・サンソンと、その妹マリー=ジョセフ・サンソンの物語です。

キャスト陣が語る初挑戦への意気込み

演じるキャラクターの魅力

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古屋敬多さん(シャルル=アンリ・サンソン役)

「フランス革命の時代に実在した人物。過酷な時代の中、死刑執行人の一家に生まれ、とても壮絶な人生を送った方です。演じるにあたって、そういった部分をリアルに演じられればと思っています。美しさを常に意識しながら表現していきたいと思います」

宮本氏コメント
「葛藤し続ける役。純情さがどうして変わってしまったのか、変わっていけたのか、変わっていけないのかを、もがきながら大変面白い役」

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梶裕貴さん(アラン・ベルナール役)

「フランスとアフリカの混血の青年。この世界において、黒髪や褐色の肌はとても異質な存在に映るキャラクターです。その部分が、この作品においても大きな要素だと考えています。アランはとても誇り高く自分の信念をまっすぐに貫く青年で、とても共感する部分のある男だと感じています。そんな部分を大切にしながら、真摯に演じていきたいと思います」

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武田航平さん(アラン・ベルナール役)

「アランは純粋に夢や希望を謳いながら時代と戦っていくことを選択した男。見てくださるお客様にとっても、この世界に入り込みやすいキャラクターです。僕も純粋な気持ちで、夢や希望を声高に演じられるように頑張りたいと思います」

宮本氏コメント
「大変面白い役。ずっと苛立っていた・心を閉ざしていたマリーが、初めて心を広げ、彼女が生きることの意味を見つける重要なキャラクターです。この作品にとって“希望の星”なので、おふたりにとてもぴったりの役。楽しみにしています」

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▲梶さんと武田さんはWキャストとして出演。
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太田基裕さん(ルイ=オーギュスト<フランス国王ルイ16世>役)

「ルイ16世は、フランスという国に絶望しながらも、変えていこうともがき戦い続けた人物。『イノサン』という耽美な作品の中で、人間くさく、繊細に美しく演じていけたらと思います」

宮本氏コメント
「大きな役。王になったが故の孤独や悩みをもち、シャルルと一番心が通じ合う純粋な役」

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浅野ゆう子さん(アンヌ=マルト役)

「サンソン家の女傑。びっくりするくらいの折檻をします。すごく怖く厳しい方。(古屋さんに対し)折檻するから、がんばって耐えてね(笑)」

また、主人公のひとりマリーを演じる中島美嘉さんからもメッセージが寄せられました。

中島美嘉さん(マリー=ジョセフ・サンソン役)

「イノサンとの出会いは、ふらっと立ち寄った本屋さんで、とてもきれいな絵だなと表紙に惹かれ、思わず全巻買いしたところでした。そのあと某番組にて、ずっとお会いしたかった坂本先生との対談が叶い、今回『イノサンmusicale』のお話を頂き、私の大好きなマリー=ジョセフ・サンソンを演じさせて頂けること、とても光栄に思っています。初めてミュージカルに挑戦させて頂くので、不安も大きく、今から緊張していますが、全力で頑張らせて頂きます。

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楽しみにしているファンへのメッセージ

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古屋敬多さん

「この作品のとても芸術的な美しさを、一緒に体感しましょう。劇場でお待ちしています」

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梶裕貴さん

「絵柄の美しさ、18世フランスの華やかさに隠されている“人間の残酷さ”をすごく感じる作品です。死刑執行人という役どころを主人公に据えて物語が展開していくわけですが、死を通して“人間の生”を感じさせてくれる作品だと感じました。僕も人間らしく生々しく演じられればと思います」

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武田航平さん

「すばらしいスタッフさん、キャストさんがそろっています。その中で表現することの喜びを感じながら、皆さまに原作以上のものをお届けできるよう、一生懸命稽古して、劇場に持っていきたいと思います」

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太田基裕さん

芸術的で奥深い作品。お客様にお届けできるよう、頑張りたいと思います」

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浅野ゆう子さん

人生の中で初めてのチャレンジをさせて頂きます。普段まみえることのないキャストの皆さんと共演させて頂きます。間違いなく最年長だと思いますので(笑)、若い皆様のご迷惑にならないよう、ついていきながら、自分自身で楽しい時間を過ごせればと思います」

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MIYAVI&梶裕貴対談

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●記者会見を終えて

「とても緊張しましたが、皆さんがとても暖かく迎えてくださってホッとしているところです。今は原作を読ませて頂き感じたことを、自分の中で膨らませています。ミュージカルなので歌う機会もあると思いますので、それに向けて準備していかなければということろです」

●MIYAVIさんから梶さんへのアドバイス

MIYAVI「僕もミュージカルという分野は未知の領域。映画やドラマと違って、ライブ。面と向かってお客様に何を伝えられるか。特にこの作品は、人間らしさ・きれいなとことも醜いところも含めて、“人間ってなんだろう”と考えさせられる作品。人間勝負な作品なので、ステージから人間力をぶつけて欲しい

●2020年2月のパリ公演にも参加する梶さんにエール

MIYAVI「日本人とフランス人は近いところがあると思います。料理やアートなど、日本人の繊細さを思う存分表現して、キャラクターの弱さ強さだけじゃなく、葛藤もふくめていろんな表現ができるので、言葉を越えて届けてきてほしい

言葉の壁を越えて、気持ちでお芝居をすることで、日本の方はもちろんフランスの皆さんにも、作品・キャラクターの魅力をお伝えできればと思います。パリ公演はまだ想像もつきませんが、日本でやることも想像がついていない状態なので、全身全霊で向き合っていきたいです」

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●声優としてミュージカルに挑戦することについて

「何事も初めて挑戦する時は、楽しみな気持ちと不安な気持ちが入り混じっていると思います。それでもやらせて頂く以上は、一緒に作る皆さんや、ご覧頂くみなさんにとっても、値するものをお届けしなければならないという覚悟の中で、声優として自分に何ができるか。そして、ミュージカルを経験したあとで、声優にどうフィードバックできるか。自分への期待感と誇り、責任感を持ちながらやっていきたい

●ミュージカルに期待すること

「音楽の中にいる自分というのは、今までにない環境なので、それ自体が初めて。そんななか、MIYAVIさんの音楽で挑戦できるのは、身に余る光栄です。ものすごく純粋に楽しみです。音楽の世界と物語の世界観の融合が、いち読者としても楽しみなので、早く楽曲を聞かせて頂きたいです!」

MIYAVI「がんばります!」

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制作陣が語る『イノサン』の魅力

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原作について、演出の宮本氏は「大変美しい。漫画を越えた、アートだと思いました。(原作の坂本氏が)現代日本の女性差別に対する怒りを『イノサン』にぶつけたという想いを聞いて、残虐で生々しく、見たくないものを見せられてしまうこの作品に、なるほどなと思いました。大変チャレンジ精神の強い原作に対する敬意を表したい」とコメント。

脚本の横内氏は「主人公マリーが、自由・平等・博愛というフランス革命ですら切り倒していく姿や、男性社会のなか女性としてどう生きたのかという部分に、2.5次元以上のものが込められる」と熱く語りました。

また、ミュージカルということで、音楽の役割について聞かれると、音楽監督の深沢氏「ロックを感じて頂ければ。その時代の女性がどれだけ差別されながら生きたか、「最悪…」と言いながら男の人を斬っていったマリーの逞しさが表現できれば」と語りました。

楽曲提供のMIYAVIさんは、「原作が衝撃的で、お受けするか正直迷いました。死生観含めて、まだ理解しきれていない部分はあるのですが、あの時代の“生きる”ということに対しての人々のパッションを、ギターで表現できれば」と語りました。

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公演情報

『イノサンmusicale』
【東京公演】
日程:2019年11月29日(金)~12月10日(火)
会場:ヒューリックホール東京
【パリ公演】
2020年2月予定
【スタッフ】
原作:坂本眞一(『イノサン』『イノサンRougeルージュ』集英社)/脚本:横内謙介/演出:宮本亜門
【キャスト】
マリー=ジョセフ・サンソン:中島美嘉
シャルル=アンリ・サンソン:古屋敬多(Lead)
アラン・ベルナール:梶裕貴/武田航平
マリー・アントワネット(フランス王妃):小南満佑子
ジャック:荒牧慶彦
ハンス・アクセル・フォン・フェルゼン:鍵本輝(Lead)
オリビエ・ルシャール:多和田任益
デュ・バリー(マリー=ジャンヌ・ベキュー):貴城けい
アンドレ・ルグリ:前山剛久
トーマス=アーサー・グリファン:佐々木崇
ド・リュクセ:林明寛
ルイ=オーギュスト(フランス国王ルイ16世):太田基裕
アンヌ=マルト:浅野ゆう子

(c)坂本眞一/集英社