描き下ろしのオリジナルグッズプレゼントも

2019年7月30日から9月8日まで『文豪とアルケミスト』(以下、『文アル』)が新宿区とタイアップし、新宿区立漱石山房記念館(以下、漱石記念館)と新宿区立新宿歴史博物館(以下、新宿博物館)を巡るイベントが開催となりました。

『文アル』はDMM GAMESより配信中の文豪転生シミュレーションゲーム。キャラクターに史実の文豪の人となりを反映し、“現世で文豪たちが再会した場合にどのような関係を築くのか”をコンセプトに作成されています。

IMGP3230

本タイアップイベントでは、スタンプラリーに参加することでオリジナルクリアファイル、アンケートに回答することでオリジナル缶バッジがプレゼントされます。

こちらには、今回のタイアップにあたって描き下ろされた、夏目漱石芥川龍之介久米正雄のイラストが使用されているので、ぜひ参加して入手したいところ。

本記事では、イベント会場となった両館の模様を現地写真とともにお届けします。

文豪が生きていた時代を感じられる会場

イベント会場となった漱石記念館は夏目漱石の生誕150周年を記念して東京都新宿区が設立した記念博物館です。

館名の漱石山房は漱石とその家族が生活し、訪れた文学者たちと交流を深めた和洋折衷の建物。記念館内部の再現箇所は当時の漱石山房内の書斎、客間、ベランダ式回廊を可能な限り再現しています。

書斎の再現展示室の複製品などは、県立神奈川近代文学館の協力のもとに同館が所蔵する原資料を参照して製作されており、書棚に納められた洋書は東北大学附属図書館の協力のもとに同館の漱石文庫の蔵書の背表紙を撮影して、製作されました。

IMGP3339
IMGP3347

『文アル』とのタイアップコーナーとなっている地下1階では描き下ろしキャラクターパネルのほか、泉鏡花正岡子規のキャラクターパネルも展示されています。

そのほかに漱石と関係の深い芥川、久米、正岡らとの『文アル』ゲーム内イラストを用いた人物相関図が展示されており、芥川の『鼻』を漱石が激賞したことなどが記載。文学の師として多数の門下生を迎えた漱石ですが、久米と芥川は漱石の晩年に近い時期に門下生となっています。

常設展示の中には、凝りに凝った装丁家としての面もある漱石によって豪華な装丁が施された漱石著作の初版本の展示があり、本そのものの外観からも漱石の人となりに迫ることができます。

また、『文アル』に登場する文豪を含んだ漱石とゆかりのある総勢51名におよぶ文学者の人物相関図があるため、タイアップコーナーの人物相関図と見比べてみることで、より深く近現代の文学家の関係性が理解できるかもしれません。

2
3
1文アル

続いては、歴史博物館。漱石を中心に近現代の文学的資料を閲覧できる漱石記念館とは打って変わり、旧石器時代から現代までの文学史を含んだ新宿区の歴史を知ることができます。

タイアップコーナーでは新宿に居住経験のある、坪内逍遥永井荷風島崎藤村尾崎紅葉小泉八雲のキャラクターパネルの展示がありました。

IMGP3191
IMGP3055
IMGP3058aaajpg

漱石記念館では漱石の住まいでもあった漱石山房が再現されていましたが、新宿博物館では江戸時代の新宿における商家の再現建築や江戸期の町並みが作り込まれたジオラマ模型があり、両館を巡ることで異なる時代を感じ取ることができました。

IMGP3125
IMGP3105

常設展示室では新宿区で晩年を過ごした八雲が“エリザベス・ビスランドにあてた書簡”の原本といった『文アル』の登場文豪に関係した展示品を見学できます。

さらに、近現代の文学的展示品だけでなく『南総里見八犬伝』で知られる滝沢馬琴といった江戸時代後期の文学者に関する展示があり、『文アル』から裾野を広げて文学の歴史に出会うことができるかもしれません。

ふたつの会場でスタンプラリーに参加

本イベントのスタンプラリーは、漱石記念館と歴史博物館の両館の有料エリアに設置されたスタンプを特製台紙に押すことでオリジナルクリアファイルが贈呈されるものとなっています。

さらに、どちらかの施設でアンケートに記入することでオリジナル缶バッジを受け取ることができます。

IMGP3359
5

クリアファイルは、表面に本タイアップイベントのための描き下ろしイラストがあしらわれているほか、裏面には『文アル』内に登場する文豪が現実の新宿区内にかまえた住所が詳しく記されています。

この夏は『文アル』と新宿区のタイアップイベントに参加して、文学が根ざした街である新宿を巡ってみてはいかがでしょうか。

 IMGP3371
IMGP3377a

『文豪とアルケミスト』×新宿区タイアップイベント 概要

【日時】2019年7月30日(火)から2019年9月8日(日)まで
【場所】新宿区立漱石山房記念館、新宿区立新宿歴史博物館
【観覧料】一般300円、小・中学生100円(土・日・祝日は中学生以下無料)