すべては当日の“くじ”で決定!いまだかつてないアドリブ劇

※レポート内に結末のネタバレはありません※

声優・鈴村健一さんが総合プロデューサーを務める、90分の即興舞台『AD-LIVE』。11年目となる今年のテーマは“AD-LIVE ZERO”

10年積み上げたAD-LIVEのフォーマットを“ZERO”に戻し、キャラクターの設定・世界観・オチ・演出――舞台を作り上げるそれらすべてを当日の“くじ引き”で決め、60分間のドラマを即興で作り上げていくという究極のアドリブ舞台です。

初回となる9月7日公演に登場したのは、『AD-LIVE』最多出演回数を誇る梶裕貴さんと、2年連続出演となる前野智昭さん。若い頃から苦楽を共にし、数々の作品で共演してきた“同期ペア”の挑戦です。

2時間前に引いたばかりの“くじ”をお披露目

まずは、ステージに総合プロデューサーの鈴村健一さんと、クリエイティブプロデューサーの森久保祥太郎さん、そして巨大なボードが舞台に登場。
ボードには、本番の約2時間前に引いたという“くじ”の結果(それぞれが抱えるプライバシー以外)が掲示されており、二人と観客はその結果を確認します。

さっそくふたりが演じるキャラクターをチェック!

▼昼公演のくじ
梶さん⇒アウトドア派で泣き虫な“オサム”
前野さん⇒アルバイトをかけ持ちするフリーターの宇宙人“レイ”

演出くじには、“突然泣き出す”、“急に睡魔が襲う”、“トイレに行きたくなる”など15個の演出が。さらに、舞台開始後にも3個の演出が“くじ”によって追加されることが発表されます。

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▼夜公演のくじ
梶さん⇒どんなこともポジティブな被害者“てらだたましい”
前野さん⇒オラオラ系でテレビに出たい人“カンゾウ”

演出くじには、“川柳を突然読む”、“相手の目を5秒見る”、“ぎっくり腰になる”など、印象的な15個の演出が。

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ドラマを盛り上げ、キャストを悩まし、時には助けてくれる“くじ”を書いたのは、観客自身。だからこそ「皆さまのせいです!」と、これから起こる未知のアドリブ劇に期待を膨らませる鈴村さん。

キャスト、スタッフ、観客すべてを巻き込んだ舞台の幕開けです!

【昼公演】未体験のZERO、カオスな“くじ”に果敢に攻めていく、同期コンビの結束力

物語の舞台は、“女しかいない世界”

ある人物を監視するためにやってきたオサムと、お客さんを楽しませるために存在するレイが出会うところから始まります。

ひとり号泣しているオサムの前に、マラカスを振りながらクルクル踊るレイが登場。
レイは誰かに呼び出され、ここに来たと語ります。カオスな出会いのシーンに、客席も爆笑です。

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▲泣いているオサムを楽しませようと、踊りながら近づいてくるレイ。
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▲レイのポケットの中にはマラカスがい~っぱい!

ハリケーンごっこやアウトドアしりとりなどのゲームで徐々に近づいていくふたり。
やがてオサムは、ここに来た目的をレイに打ち明けます。
あるコンプレックスのせいで自信のないオサムを、踊って励ますレイ。
しかしレイもある問題を抱えていて――。

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▲秘密を打ち明けたオサムは、優しいレイに抱きついて――
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▲打ち解けたのもつかの間、「時間がない」と語るレイ
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▲アドリブワードを引きまくるふたり!

物語が進んでいくと、オサムが、ある本に書かれた伝説について語りだします。
どうやら“女しかいない世界”にはクイーンがいて、クイーンから出たあるものを飲むと、なんでも願いを叶えることができるらしいのですが……。

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▲オサムはクイーンに何を願う?
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▲惑星コーグの舞!オサムもレイと一緒に踊ってみた!

今年の公演では、メインキャストに加え、演出部の鈴村さんと森久保さんも状況に応じてキャストとしてドラマに登場します。
中盤には、森久保さん演じる謎の男が舞台に乱入! 自称クイーンを守る“僕らは羽ばたかない”団の一員らしいのですが、突然二人にシャボン玉を作らせたり、クイーンについてしどろもどろだったりと、なんとも支離滅裂な様子。

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しびれをきらしたオサムが「アイツが来てから空気がおかしい!」と言うと、客席は大爆笑していました。(なお、支離滅裂だった理由は公演後のアフタートークで明らかに!)

こうして、オサムや謎の男との出会いで、人間について学んだレイは「次に生まれ変わるなら人間がいい」と話すように。じーんと胸を打ついい感じの展開ですが、チャレンジャーな梶さんと前野さんは、あえてアドリブワードを引き会話を続けて盛り上げていきます。

すると突如、謎の轟音と光が。
怯えるオサムの横で、前野さんが“スターバーストギャラクシー”と書かれたアドリブワードを神引き! スターがバースト……近くの惑星が爆発し、さらに地球滅亡の危機が迫っていることが明らかに。
さらに森久保さんは、ある斬新なアドリブワードの使い方をして観客をわかせます。

そしてオサムの口から抱えていたプライバシーが明かされて――。

一気に加速する後半戦。
オサムの真の願い。レイの人間になりたいという願い。
そして“スターバーストギャラクシー”による地球の危機と、ついに姿を現わしたクイーン。
最後にふたりは何を願うのか……!?

緊迫感漂うなか、前野さんひいたワード“紫の指”をした“ポップなババア”を体現した鈴村さん演じる新キャラクターの登場など、次々起きる展開にどんどん引き込まれていきます。

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クイーンはどうやら、紫の指をしているらしい……?
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▲前野さんの身体を張ったお芝居に客席も大爆笑!
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“ポップなババア”を引いた直後に、鈴村さんがこの衣装で登場!
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▲俺たちは羽ばたかない団の真の目的は? 彼らの正体は?

そんなとき、オサムがレイに語ったもうひとつの真実に、観客は騒然!

レイの目に光る涙。
それを優しく指で拭ってあげるオサム。
ロボットと人間の絆の物語は、どうやって“乾杯”に辿り着くのでしょうか――!

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▲観客は騒然! 最大の秘密が明らかに――!
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▲記念写真を撮って心温まる瞬間。ところが、ラストはまさかの方向へ!この時撮影された写真は梶さんのTwitterをチェック!

【夜公演】魅力的なキャラクター×会話劇で紡がれた、ほっこり優しい人情物語

物語の舞台は、“地図に無いBar”

夜公演では、黒歴史のタイムカプセルを探すためにやってきたカンゾウ(前野さん)と、本当の忍者になるべくやってきたてらだたましい(梶さん)が登場。一冊の本をめぐる物語が幕を開けます。

先に登場したのは、忍者服姿のたましい。「ニンニン!」と元気いっぱいに舞台を駆け回り、隠れ身の術でソファの裏に潜みます。そのソファにどっかりと腰かけてきたのがカンゾウ。

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▲隠れ身の術をしながら、猫や犬の鳴き声でカンゾウの反応を伺うたましい。

ふたりが出会うまでの、ギャグのようなやりとりをしばらく楽しむ前野さんと梶さんは、息ぴったり!
初対面のカンゾウを「殿」と呼び、従順に仕えるたましいと、どんな状況でもまったく動じず受け入れてしまうカンゾウの会話は、不思議とかみ合いコミカルに進んでいきます。

夜公演ひとつめのキーワードとなったのが、“川柳を突然読む”という演出のくだりでたましいがたまたま言った“シャドウマン”という言葉。
「お前、なんで知ってるんだ?」というカンゾウの一言に、たましいだけでなく客席もざわめきます。どうやらカンゾウには、シャドウという“ある人物”が憑いているらしく……。

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▲地図にないBarの店員さんが登場。Barのコンセプトは忍者?
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▲”赤影”や”黒影”など、メニュー名も忍者ちっく
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▲“川柳を突然読む”たましい!

さらに、たましいが探し求めている忍術書を書いたのが、カンゾウの祖父であることも明らかに。

どうやらカンゾウは、祖父の忍術書の最後のページに、好きな女の子の名前を書いてしまったようなのです。恥ずかしい黒歴史のために、カンゾウも忍術書を探していたのでした。

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▲カンゾウのことを「殿」と呼び、お仕えするたましい
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▲オラオラ系のカンゾウですが、どんなことでも受け入れる器の大きさが魅力

森久保さん演じるBar店員・ハンゾウも再び登場し、ニンニンシリシリで遊んだり、ギックリ腰になったりと、笑いが絶えない前半戦。

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▲ニンニンシリシリに興味津々
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カンゾウは、ある言葉を口にすると意識を失い、シャドウと入れ替わってしまうのですが、ここでも前野さんがアドリブワードを神引き! “ヘヴン”という言葉を引き当て、客席から拍手が起こります。そして意識を失ったカンゾウに代わり、たましいの前にシャドウが!

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▲カンゾウが意識を失うと、入れ替わりにシャドウと名乗る者が現れます

明らかになっていくカンゾウの人情味あふれる物語は、アドリブとは思えないほどドラマチック。

するとたましいも、自分の秘密を打ち明け本来の性格に。

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▲おもむろに近づき、“相手の目を5秒見る”ふたり……
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▲後半では、たましいの正体が明らかに!ただの忍者ではないんです!
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▲たましいとカンゾウの会話にほっこり

さらに舞台上には、鈴村さんがシャドウとして登場し、ついに前野さん演じるカンゾウと対面を果たします。

死神のせいで周囲を不幸にしてしまうカンゾウを救うため、たましいはなんとかシャドウを退散するしようと試みますが……。ここでは“熱いハグ”という演出くじが炸裂! カンゾウとシャドウの熱い友情物語は、一気に結末へ――!

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▲ついにシャドウが実体として出現!力を合わせるカンゾウとたましい!

前野さんはカンゾウとシャドウを、梶さんは忍者のたましいと本来のたましいを。それぞれが、まったく異なるタイプのキャラクター像をアドリブで演じきった夜公演。

魅力的なキャラクターたちの会話を中心に、リアルタイム紡がれていく物語。
AD-LIVEでしか味わえない奇跡の瞬間を、ぜひあなたの目で確かめて。

Blu-ray/DVD発売情報

【通常版】
商品仕様
・本編ディスク2枚組
・特製ブックレット
・オーディオコメンタリー(夜公演)
・特典映像(CM、PV集)

各 7,500円+税(Blu-ray/DVD共通価格)
※商品の仕様は予告なく変更になる場合がございます。

【アニメイト限定セット】
商品仕様
・通常版+特典DVD
各 8,000円+税(Blu-ray/DVD共通価格)
※特典DVDの収録内容は後日発表いたします
※商品の仕様は予告なく変更になる場合がございます。

■2020年2月26日発売/【 9.7 千葉公演 】【 9.14 東京公演 】
【第1巻】梶 裕貴 × 前野智昭
【第2巻】吉野裕行 × 鈴村健一

■2020年3月25日発売/【 9.21/22 千葉公演 】
【第3巻】仲村宗悟 × 森久保祥太郎
【第4巻】寺島拓篤 × 豊永利行

※10月12日、13日徳島公演の中止に伴う、Blu-ray/DVD【第5巻】【第6巻】発売中止のため、発売情報から削除いたしました。
【2019年10月9日19:30】

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