総勢26名のオトメイトクリエイターに迫る!

10年以上にわたり、女性向けゲームを制作する“オトメイト”ブランド。

これまでさまざまなプラットフォームで作品を輩出してきたオトメイトのNintendo Switch参入を記念して、B’s-LOG.comではオトメイト特集をお届け!

第2弾企画として、オトメイト作品に関わるクリエイター26名に一斉アンケートを実施。

イラストレーターからディレクター、シナリオライターまで……乙女ゲームの制作で大切にしていることから“スイッチ”になったと思う作品など、4つの質問とその回答をまとめました。

乙女ゲームファンはもちろん、ゲーム業界・クリエイターを目指す人も必読です!

記事は6日連続、全6回で掲載予定。第5回では、伊東愛氏、中村和騎氏、山崎浅吏氏、高村旭氏、RiRi氏のアンケートをお届けします♪

▼第1弾企画はコチラ!

▼クリエイターアンケートバックナンバー

伊東愛氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

イラストやBGMなど、いっしょにゲームを作り上げてくれる素材が上がってくるとやる気になります。あとはやっぱり締め切りですね……。心から申し訳ないと思いながら仕事を進めています。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『十三支演義』シリーズ

それまでプロデューサーとしてやっていたのですが、この作品で初めて企画・設定・シナリオ制作と、中身をつくる側になりました。初めて書いた個別ルートが曹操というキャラのシナリオになるのですが、それがとてもすんなり書けたというのも大きかったです。

十三支演義-偃月三国伝
(C) 2012 IDEA FACTORY/RED

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

あまり自分の趣味嗜好に走りすぎないように気をつけています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

プラットフォームにこだわらない海外市場の取り込み。国内に限って言えば、40代、50代、60代といった層に訴求するタイトルの創出。この層はすでに数字的にも年々大きくなってきていますし、20代、30代のユーザー層の頭打ち感を鑑みると積極的に取り込んでいくべきかと思います。そういった意味では、海外向け、ミドルエイジ向けと“タイトルの多様化”が鍵ではないでしょうか。

関連最新タイトルは……『ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~』

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オトメイト×レッド・エンタテインメントのタッグで、伊東愛氏がディレクターを務める最新作。

悲劇の武将である源義経を女性主人公として、彼女の数奇な運命が描かれていきます。義経は悲劇を奇跡の物語にすることはできるのでしょうか……?

【タイトル】ビルシャナ戦姫 ~源平飛花夢想~
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】未定
【価格】未定

(C)IDEA FACTORY/RED

中村和騎氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

スイッチ自体はデスクにつくだけでオンになるのですが……やはりギアのほうは納期が迫って来ないと上がってきませんね(汗)。あと仕事柄、いまオンになっているこれは“仕事スイッチ”なのか、それとも“趣味スイッチ”なのか分からなくなることがどうしてもあります。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『Glass Heart Princess』シリーズ

初の自分企画タイトルだったのですが、進行管理だけではなく物語、キャラクター、システム、広報等々、トータルでの“ゲームデザイン”を何とか完遂できた作品だからです。お客さんからの評判も上々だったので、「何とかこの業界で飯を食っていけそうだ」と自信が付きましたね。

Glass-Heart-Princess
(C)2012 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

“ネタに殉じる”でしょうか。企画というのは大抵、ひとつ~3つくらいのネタが柱になっているものなのですが、ゲームのおもな要素(物語、キャラクター、システム)は、必ずその柱となるネタから論理的に導き出せるもののみで構成するようにしています。そして、それがうまくいけば自然とまとまりのある作品になる……と個人的に思っています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

それはむしろ自分が教えてもらいたい……(笑)! やっぱり自分は男性なので、“女性が好きそうなもの”を経験と知識から作ることは可能でも、真の意味で“女性が望むもの”をひねり出すのはどうにも難しいですからね。ただ、システム盛りたい派の人間としては、ADV以外のジャンルがもっと盛り上がるといいな……と思わないでもないです!

山崎浅吏氏(シナリオライター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

すごくいいエピソードが浮かんだとき。さらに深堀りするために、台所をうろうろ歩き回ります。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『猛獣使いと王子様』

キャラクター作りがすごくうまくいった作品だと思います。初期設定の段階では弱かった部分を、「こうやったらもっと魅力的になるんじゃないだろうか」、「もっと意外性が欲しい」など、かなり試行錯誤して生み出したのでとても思い入れがあります。

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(C)2010 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

より多くのユーザーさんに受け入れてもらえる主人公。主人公が嫌われてしまうと、どんなに魅力的なキャラクターがいて、世界観が素敵で、ストーリーが魅力的でも、どうしても受け入れられないという方が出てきてしまうので。主人公の行動には細心の注意を払って、納得してもらえるものにしようと力を入れています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

海外展開と、新しいクリエイターさんの飛躍です。私はいったん現場を離れ、海外へのアプローチと後続の育成に回りたいと思いますので、興味のある方はぜひTwitterアカウントをチェックしてください。

関連最新タイトルは……『猛獣使いと王子様 ~Flower & Snow~ for Nintendo Switch』

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1作目『猛獣使いと王子様』とファンディスク『猛獣使いと王子様 ~Snow Bride~』が1本にまとまり、2015年6月に発売されたPS Vita『猛獣使いと王子様 ~Flower & Snow~』のNintendo Switch移植版。

カトライア王国で暮らす主人公は、猛獣使いになることを夢見ていました。ある日、呪いで動物の姿にされていたファザーン王国の王子たちと出会ったことで、主人公は王子たちの呪いを解くことになります。

【タイトル】猛獣使いと王子様 ~Flower & Snow~ for Nintendo Switch
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】2019年発売予定
【価格】未定

(C)2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

高村旭氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

出社してPCの電源をつけたときです。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『ピオフィオーレの晩鐘』

前作での経験を活かし、より強いこだわりと意識を持って制作することができたと感じています。

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(C)2018 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

ユーザーの目線に立って考えること、おもしろいかどうか最後まで疑いを持ち続けることです。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

いちクリエイターとしては、ユーザーが手に取らずにはいられないようなおもしろい作品を作ることをつねに心がけて続けていくしかないと考えています。

RiRi氏(イラストレーター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

出社してPCの電源をつけ、その日こなすべき作業と向き合ったときです。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『L.G.S ~新説 封神演義~』

初めて原画を担当させて頂いたタイトルです。原画職としてのゲーム制作の流れを経験し、その難しさ、楽しさを知りました。転換期であり原点だと思います。

LGS_玉鼎イベントCG
(C) 2012 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

ひとりでも多くのユーザー様にタイトルに興味を持って頂けるよう、ひと目でその世界観が伝わるイラストを提供することです。キャラクターの造形、衣装や配色、構図、ポージングや表情のひとつまで、魅力あるものにするにはどうすればいいか、模索しながら細部まで大切に制作させて頂いています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

今回のNintendo Switchへの移行がまさに“スイッチ”になるように思います。新しい舞台の上で今後どのような世界が広がっていくのかとても楽しみです。

関連最新タイトルは……『ゆのはなSpRING! ~Mellow Times~ for Nintendo Switch』

ゆのはな

2015年9月に発売されたPS Vita『ゆのはなSpRING!』と、2016年9月に発売されたファンディスクとなるPS Vita『ゆのはなSpRING! ~Cherishing Time~』がひとつになってNintendo Switchへ移植。

舞台は金沢の彩川峡温泉にある温泉旅館“福寿楼”。そこの若女将として働く主人公・ゆのはの隣には、それを支える“彼”の姿がありました。温泉旅館でくり広げられる心ときめくラブコメディ、再び開幕!

 

【タイトル】ゆのはなSpRING! ~Mellow Times~ for Nintendo Switch
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】2019年発売予定
【価格】未定

(C)2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY