『ときレス』ライブは宝探しのようなもの

2013年3月にデビューをした3 MajestyとX.I.P.の10周年を記念するライブが開催された。

2023年3月18日~21日の4日間全16公演。セットリストの異なる4種類の公演という、超豪華な10周年ライブだった。

感想はいつも通り「やばい、すごい」だし、状況としては「心は潤ったが、汗と涙で体の水分量はカスカス」という感じだ。

そういえば『ときレス』ライブって、ただ幸せになるだけじゃなくて、かき乱される心を理性で押さえつけながら、目に焼き付けて、脳に記憶させるという、ちょっとした修業の場だったということを思い出した。

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多くのファンが集まった記念すべき10周年ライブ
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▲会場から持って帰りたかった

レポートの前に告知をさせてください!

『ときレス』Wカバー&12P大特集/ビーズログ2023年5月号(発売中)

霧島&伊達、両グループのリーダーがWカバーを飾った『ビーズログ5月号』が発売中です!

12Pの大特集では、リーダーのふたりがグループについてじっくり語ったインタビューや、6人が10周年を迎えた日のエピソードを教えてくれているので、ぜひチェックしてください!

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★「10th Party」レポート掲載/ビーズログ2023年6月号(2023年4月20日発売)

4月20日発売のビーズログ6月号では、10周年記念ライブより「10th Party」のレポートを掲載しています。

本記事はユニット曲中心ですが、雑誌「ビーズログ」ではグループ曲を中心にまとめていますので、ぜひご覧ください!

▶ 詳細情報・ご購入はコチラから ⇒ [KADOKAWA / B’s-LOG 2023年6月号]

3月19日(日)第1公演「Unit Party」

今回レポートをお届けするのはユニット曲満載のノンストップライブ「Unit Party」

3 Majesty、X.I.P.のグループパフォーマンスも好きだが、ユニット曲もいい。

私は3 Majestyを「手を差し伸べるアイドル」、X.I.P.を「手を引っ張るアイドル」だと思っているのだが、ユニット曲になるとグループが持つコンセプトの対比が際立つし、アイドルの個性が融合することで、新しい感動を得ることもできる。

甘いものとしょっぱいものは交互に食べたら無限にいけるとはよく言うが、ユニットソングは「特製ケーキマフィン(音羽用)」と「特製ジャンボステーキ(不破用)」が同じ皿に乗っているようなものだ。

そんなの当たり前に混乱する。でも『ときレス』ライブには狂わされに行ってるのだから、刺激は強いほうがいいに決まっている。

という理由から「Unit Party」を選んだのが半分、もう半分は本能に従い、ただただ「Good to be bad」を観たかった。

いろんな国宝級を見せつけてくる

3 Majestyからひとり、X.I.P.からひとりの計ふたりで歌うユニット曲。

組み合わせによって、これまでとは異なるイメージのパフォーマンスを見られるので、どの曲も楽しみどころが多い。

今回のレポートでは、私が勝手に見出したアイドルたちの国宝級ポイントを紹介していこうと思う。

音羽慎之介

ファンサの王子様。音羽くんのまわりは、つねにキラキラしている。

「Honey come」(音羽&伊達)では、「ライブ楽しいね!」からのギューッの抱きしめポーズ。「I’m in love」(音羽&神崎)では手を振り、指を指し、ハートも飛ばす。ファンサのフルコースだ。

また、何より不破くん、京也さん、神崎くんという独特なオーラを放つ3人と組んでも、ステージを音羽カラーに染め、キラキラオーラで満たしてしまうのは、彼こそが強烈な個性をもったアイドルである証だと思う。

踊れば「かっこいい!」、動けば「かわいい!」。喋ると少し不思議なところも含めて、こんなにアイドルが似合う人はほかにはいない。

霧島 司

世界でいちばん高貴な蹴りを持つアイドル。

「Good to be bad」(霧島&不破)で見せるあの蹴りひとつで、一国を落とせると思う。生まれ持った美脚を活かして、くり出される脚の動きが本当に美しい。

3 Majestyは王道王子様グループらしく、背筋も腕も綺麗に伸ばすパフォーマンスが多いため上半身の動きに目がいくことが多いのだが、脚の印象が強烈に残るこの楽曲は霧島くんの新境地を開いた。

何より、開演前の影ナレ時にマイクを切るのが遅れるという、こちらに都合のいいハプニングがあり、ふたりがこの曲の前にいっしょにストレッチしていたことが発覚したのもビッグニュースだった。

辻 魁斗

辻くんは人や音と呼吸を合わせるのが誰よりも上手い。

X.I.P.の3人と並んだときに個性を放った音羽くんとは逆に、辻くんは「SWEET JEALOUSY」(辻&神崎)、「Crazy in love」(辻&不破)、「REVERSE」(辻&伊達)のすべての楽曲に見事に馴染んでいた。

グループ曲でもユニット曲でも、いろんな色に染まることができる素直さと表現力
それは彼が持つ真面目さと、人の気持ちに寄り添うことができる心の柔らかさがもたらしているんだと思う。

そこに辻くんだけが持つ天性の才能“永遠のフレッシュ感”が加わると「見た目はアイドル1年生、中身は経験値たっぷりのベテランアイドル」という最強のアイドルの出来上がりだ。

不破剣人

不破くんの体はとてもいい。宇宙に誇る最強の体だ。

なんなら、私が作ったステーキめちゃくちゃ食べてたし、「この体は私が育てた」って少しくらいは言ってもいいと思うステーキと刺身の体力消費51は結構大変だった。

ここまで体が大きいと動きにくいのではと思うのだが、「Good to be bad」(霧島&不破)で見せる、霧島くんとの格闘技(神崎くん談)での脚の振り上げスピードがめちゃくちゃ早い。筋肉の重さや瞬発力を活かして放つ蹴りは、この体じゃないとできないし、とにかく見栄えがいい。

「空色DREAM」(音羽&不破)では、アイドルボイスの音羽くんに対して、腹式呼吸のお手本のような歌いかたをする不破くん。ミスマッチかと思いきや、きれいなハモりが聞ける名曲で、凡人はつい似た色を組み合わせようとするけど、センスがある人は真逆のものを組み合わせてマリアージュさせるんだな……などと思った。

伊達京也

「色気」と書いて「伊達京也」と読む。

セクシーでもエロいでもなく、「色気」である。
匂い立つ色気の源は、男性性を感じさせるダンスでもはだけた上半身でもなく、肘から先の腕そして手、指だ

叶わない恋を歌った「REVERSE」(辻&伊達)では、掴めない相手の心に触れたいという切ない思いを、手のパフォーマンスで表現する。

背中にまわした手を閉じたり開いたり、上から下へと手を引っ張ったり、左から右へと手を引き寄せたり。

指先にまで神経を通わせて心の動きを丁寧に表現する様が、京也さんが本来持っている繊細さとリンクしているようにも感じてグッときた。

とか、理性的にまとめようとしているけど、取材メモには「手・指・腕、三種の神器!!!」「出てる、何か神秘的なやつ」「肘のリストバンド的なやつ、腕に目が行くように設計されてるのかな、天才じゃん~!」っていう煩悩にまみれた言葉だけが書き散らされていた。

神崎 透

360度、完全無欠の表現者。

人それぞれ好みがあると思うが、私は神崎くんのダンスにとにかく魅せられっぱなしだ。
聖歌隊での活動経験などもあり、幼少の頃から音楽に触れてきた人特有の、音と遊ぶような動きがとても美しい。

「散歩道」(霧島&神崎)では横向きのポジションの際に、顔ではなくダンスの形がよく見える角度で立つ神崎くんと、ファンに顔を見せる角度で立つ霧島くんの対比がとてもよく、それぞれのパフォーマンスをするうえでの優先順位がよくわかった。

また、これはダンス有識者から聞いた話だが、「体を大きく見せるために肩甲骨から動かして、腕を広げてるのではないか」ということで、そういう細かい積み重ねが「360度どこから見てもかっこいい」を創り上げているのだと気づき、彼のこだわりと努力に感動を覚えた。

出会えてよかった『ときめきレストラン☆☆☆』

今回のライブも大満足だった。

『ときレス』に対する激重な感情は、ビーズログ2023年6月号(4月20日発売)(隙あらば宣伝)のレポートで書ききって昇華させたので、こちらでは軽いノリでいこうと思う。

10年前からブレない3 Majestyの王子様なところ、X.I.P.の野性味と悪い男(その実かわいい)なところが大好きで、彼らの変わらなさは私たちに安心感をくれる。

パンフレットやTwitter、雑誌のインタビュー等で最近彼らが発している言葉を見れば、アイドルとファンの間には絆があると確信できる。

彼らはファンがいる限りアイドルとして上を目指していくようだし、私たちも何十年も応援する気でいる。

そんな10年かけて築いた強固な信頼関係を胸に、20年、30年……50年後もペンライトをふるべく、まずは健康的な生活から始めようとライブロス真っ只中に思うのであった。

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▲こんなキラキラなアイドルたちをステージに迎えるなんて、KT Zepp Yokohamaもすごく大変だったと思う。ゆっくり休んでほしい。
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▲3 Majestyがめちゃくちゃかわいかった。昔は守られたいという恋する乙女目線だったのが、今は「かわいい~!」という孫を見る祖母目線になっていた。10年も経てばこちらも成長してしまう。
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▲手……腕……指………………
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▲ヒップホップをベースにした、縦の動きがダイナミックでかっこいいX.I.P.。ユニットソングを経たあとの3人揃ってのグループ曲パートでは、その圧倒的強さにやられてしまった。

▼過去のライブレポートまとめ▼





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撮影/大山雅夫