総勢26名のオトメイトクリエイターに迫る!

10年以上にわたり、女性向けゲームを制作する“オトメイト”ブランド。

これまでさまざまなプラットフォームで作品を輩出してきたオトメイトのNintendo Switch参入を記念して、B’s-LOG.comではオトメイト特集をお届け!

第2弾企画として、オトメイト作品に関わるクリエイター26名に一斉アンケートを実施。

イラストレーターからディレクター、シナリオライターまで……乙女ゲームの制作で大切にしていることから“スイッチ”になったと思う作品など、4つの質問とその回答をまとめました。

乙女ゲームファンはもちろん、ゲーム業界・クリエイターを目指す人も必読です!

記事は6日連続、全6回で掲載予定。第6回では、椎名あとり氏、藤理ト氏、華南みさき氏、いわた志信氏、薄葉カゲロー氏のアンケートをお届けします♪

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椎名あとり氏(ディレクター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

耳栓をしたときです。作業中はイヤホンやヘッドホン、耳栓を使って、外の音をなるべく遮断するようにしています。そうすることで、目の前にあることだけを考えやすい環境を作り出しています。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『LoverPretend』

現在絶賛開発中ですが、この作品は、決意を新たにするきっかけになった作品です。「乙女ゲームを作りたい!」という一心で、いまの会社に入り、ここまできました。いままではほかのディレクターの指示の元で、制作に当たらせて頂いていましたので、自分のすべきことはつねに明確に提示されており、完成形も見えている状態での制作がほとんどでした。

そのため、私は無意識のうちに自分でいちから考え、努力するということを、怠っていたのかもしれません。けれど、今作で初めて自分で企画・進行することで、自分でいちから考え、組み立てることの難しさを痛感すると同時に、現時点での自分の力量不足を改めて感じており、今後開発を進めていく中で成長していきたいと考えております。よりよい作品を作るため、考えること、努力することを怠らない。初心を思い出すと同時に、決意を新たにするいいきっかけになっています。

LoverPretend
(C)IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

私が乙女ゲームを制作するうえで最も大切にしていることは、私自身も楽しむことです。「自分自身が楽しめないものを、どうして他人に薦められるのか?」と、教えてもらってから、ユーザーの皆さまに自信をもってオススメするべく、私自身も楽しめるよう最大限努力するようにしています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

ユーザーの皆様が作品を手に取るきっかけを作ることだと思います。コンシューマーゲームの強みは、買いきりであることです。しかしながら、近年のゲームハードは手軽に手を出すにはちょっとお高めですので、新規で始めるには躊躇いを感じる方も多いと思います。ふだんは女性向けゲームしかやらないというかたはとくに。そんな方がためらいなく作品に手を伸ばせるように、作品の魅力を最大限にお伝えできるようになることが必要だと私は考えています。

藤理ト氏(イラストレーター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

電車で目の前に座っているサラリーマンのズボンのしわとかが理想的だとオンになります(笑)。光の当たり方やアウトラインの凸凹が完璧で「イラストにしてみたい!」って思うのですが、たいていつぎの駅で降りると忘れてオフになりますね。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『ライブラリークロスインフィニット』

自分の中で目標のひとつであったキャラデザとして参加させて頂いた作品でしたので、今後仕事をするうえで大きな転換期になったと思います。

ラブクロ
(C)IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY/Wright Flyer Studios

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

キャラクターの表情でしょうか。とくにイベントスチルを制作するときは立ち絵では見られない表情や髪の動きを表現するよう意識しています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

まだそこまで多くの作品に携わっていない身で大それたことをお答えするのが恐縮なのですが、いままで乙女ゲームをプレイしてくださっているかたはもちろん、そうでなかったかたにも興味を持って頂けるような展開ができたらうれしいです。Nintendo Switchでの展開を機に多くのユーザー様がオトメイト作品に興味を持って頂ければと思います。

華南みさき氏(シナリオライター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

コーヒーを用意してPCの前に座ったときです。支度をしつつ脳内が切り替わっていく気がします。カレンダーを見てスケジュールが厳しくなっているときは一瞬でスイッチが入ります!

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『猛獣たちとお姫様 ~in blossom~』

初めて参加させて頂いた乙女ゲームタイトルです。いままではちがう畑にいることが多かったので、新鮮な気持ちで執筆させていただき、視野も広がりました。私にとっては、“世界を広げる”スイッチになったと思います。

猛獣たちとお姫様-~in-blossom~
(C)2017 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

すてきな物語であること。プレイ中、プレイヤーさんが日常を離れて、ひととき冒険を楽しめるように、いつも考えを巡らせています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

答えはわかりませんが、ずっと考え続けること、模索を続けることかな、と思います。“スイッチ”をオフにしないこと。女性向けゲーム市場はもっともっと楽しいゲームを作れるんじゃないかと、個人的には考えています。

関連最新タイトルは……『LoverPretend』

LoverPretend

女優になるという夢を叶えるために主人公が選んだのは、役者になるという自身と同じ目標を持つ男性たちとの、本気の“恋人ごっこ”だった――。

バレれば炎上間違いなし! ドキドキな秘密の恋模様が描かれます。

【タイトル】LoverPretend
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】2019年発売予定
【価格】未定

(C)IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

いわた志信氏(ディレクター・シナリオライター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

1本のタイトルを作っているときには、その作品に対する印象やイメージがブレないように、BGMリストを作って作業に入る前に必ず聴くようにしています。

企画当初はいろんなアーティストの曲からイメージに近いものを探しますが、作品専用のBGMや主題歌などが完成したあとは、ほぼそれしか聴かなくなります。また、疲弊しすぎて何も浮かばなくなったときは、映画を見たりして創作脳を刺激するようにしています。摂取する作品がいいものであればあるほどエネルギーがチャージできる気がします。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『薄桜鬼 黎明録』

自分にとって思い入れが強いのは『ワンド』シリーズなのですが、『薄桜鬼』シリーズはいちクリエイターとしての能力を問われ続けたタイトルでした。

中でも『黎明録』は、シナリオだけでなくディレクターも任されていたこと、また前代未聞の男主人公ということもあり、萌えに頼れない作りかたをする必要があったため、自分の持てる引き出しをすべて開ける必要がありました。制作中は正直ものすごくしんどかったですが、やり遂げたあとの達成感はすごかったです。

薄桜鬼黎明録_ev_ryu行き倒れ4
(C)2010 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

いろいろありますが、ひとつだけということであれば、絵とシナリオの親和性でしょうか。とくにどこをCGにするのか、どのタイミングで出すのか、テキストとの相乗効果の有無にはこだわっています。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

ハードが何であろうと、流行りがどう変わろうと、たぶん女の子は自分にとっての“推し”ができるか否かがすべてなんじゃないかと思います。「推しのために!」という大義名分があればどんな環境でも盛り上がれるし、ハードやジャンルの壁も乗り越えられるので。

つまりクリエイターである私たちがやるべきなのは、ただひたすら魅力的なコンテンツ・キャラクターを作ろうと努力することであって、それがユーザーの萌えツボにハマってさえくれれば、結果的に女性向けが盛り上がるのではないかと思っています。

薄葉カゲロー氏(イラストレーター)

――あなたにとって、仕事モードがオンになる“スイッチ”は何ですか?

つねに仕事や絵のことを考えてしまうので、オンになるスイッチよりも、ひと区切りついたときや寝る前に、オフにするスイッチを入れるほうが多いです。読書や筋トレなどで切るようにしています。

――クリエイターとして、転換期(スイッチ)になったと思える作品と、その理由を教えてください!

【作品】『ワンド オブ フォーチュン』

『ワンド』の前作・前々作(『ウィル・オ・ウィスプ』、『エーデルブルーメ』)では、本来の得意分野である重たくて情報量多めのビジュアルで描かせて頂いていたのですが、『ワンド』はコンセプトに沿って明るくてキャッチーな雰囲気を意識しつつキャラデザやキラキラした雰囲気の出しかたなどを学んでいったので。得たものはそのあとのどんな作品でも活きていると思います。

ワンド オブ フォーチュン_CGアルバロ@05後抱きつき@統合
(C)2009 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

――乙女ゲームを制作する上で、もっとも大切にしていることを教えてください!

世界観とキャラクターの人生や立ち位置が見えるイラストを心掛けています。恋愛描写も日常描写も同じように「このキャラにこの仕草はありですか?」、「あまり女性経験がないから表情はもっと硬めですね」などディレクターと相談しながら描いたりします。

――女性向けゲームが、今後さらなる飛躍を遂げるための“スイッチ”は何だと思いますか?

いろいろな楽しみかたのできる作品が増えているようなので、ジャンルの多様性が広がれば楽しそうだなと思います。

関連最新タイトルは……『レンドフルール for Nintendo Switch』

レンドフルール

2015年8月に発売されたPS Vita『レンドフルール』のNintendo Switch移植版。

女神の依代であるレーヌと、地上から選ばれた4人の騎士により栄華を極める世界。新たに誕生したレーヌ・ヴィオレットは、自分との関わりを拒絶する4人の騎士たちの信頼と忠誠を得るために動き出します。

【タイトル】レンドフルール for Nintendo Switch
【対応機種】Nintendo Switch
【発売日】2019年発売予定
【価格】未定

(C)2019 IDEA FACTORY/DESIGN FACTORY

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