やっぱり夏はホラーでしょう!

さまざまなテーマで乙女ゲームの歴史や魅力を紐解く不定期連載“乙女ゲームLabo”

第3回のテーマは“夏休みに遊びたい乙女ゲーム”

3人のライターがそれぞれ“夏休みに遊びたい乙女ゲーム”を1作品挙げ、オススメポイントをプレゼンテーションしていきます☆

8月も半分が過ぎてしまいましたが、まだまだ夏は終わらない! 酷暑の夏は、おうちでゆっくりゲームをして過ごしてみてはいかがでしょうか?

3日連続更新の第3弾は、『暗闇の果てで君を待つ』に注目します♪

※ここから先は、一部ゲームのネタバレが含まれます。

このなかに ないつうしゃが いる

Text by ライターなま

『暗闇の果てで君を待つ』
【発売日】2009年10月22日発売
【ブランド】ディースリー・パブリッシャー
【対応機種】ニンテンドーDS

『暗闇の果てで君を待つ』3つのオススメポイント!

(1)主人公が犯人側に寝返ったりと、予想できない展開だらけのストーリー!
(2)プレイヤーの謎解き力が攻略対象の生死に繋がる緊張感!
(3)攻略対象の死に顔が見られる……!?

cg02a

廃校に閉じ込められた主人公と6人の男性たちの、命がけの恋を描く『暗闇の果てで君を待つ』

謎を解いて閉ざされた空間からの脱出を目指す“脱出ゲーム”や、推理によって裏切り者を探す“人狼ゲーム”、その両方の要素がミックスされた作品で、当時としてはかなり革新的な内容でした。

とはいえ、いまプレイしてもやっぱり色褪せないおもしろさが満載……! 酷暑を乗り切りたい乙女にオススメしたい、とびっきりの“涼”ポイントがいっぱいです!!

cg13a
cg24a

林間学校のハイキングの途中、体調不良になった主人公。

幼なじみの桜葉克己、生徒会長の葵水央、テニス部の穂波陽介と秋山朋、他校の風野太郎、教師の高坂貴彦とバスでキャンプ地まで戻ることになります。

しかしそのバスが事故に遭い――主人公たちが目を覚ますと、そこは見知らぬ廃校でした

cg76a

主人公たちを監禁したのは、殺人をゲームとして楽しむ正体不明の“仮面の死神”。その人物曰く、6人の男性たちの中に裏切り者の“内通者”がいるらしいです。いったい誰なんだ……!

主人公たちは、内通者が誰なのかわからないという疑心暗鬼の中で、廃校からの脱出を目指すことになります。

時間切れで容赦なく命を落とす攻略対象たち

“仮面の死神”が張り巡らせた罠によって、攻略対象の男性たちはつぎつぎと命の危機にさらされます。プレイヤーは謎を解いたり、必要なアイテムを入手したりして、みんなを助けなければなりません。

cg16a
歯車に首を挟まれる幼なじみ・桜葉くん。この歯車が動き出したらたいへんなことに……!
cg39a
穂波くんは冷凍庫に閉じ込められてしまいます。凍死の危機。

この仮面の死神という犯人はものすごいド変態(褒め言葉)なので、とにかく殺人方法のバリエーションが豊富! 凍死に溺死、毒ガス死と盛りだくさんです。

ここでプレイヤーががんばって謎を解き明かせればいいのですが、タイムアップしてしまった場合、容赦なく攻略対象の命が失われていくことに。もちろん、主人公が死んでしまうバッドエンドもあるので気が抜けません……!

cg41a
cg08a

しかも本作は、なんと亡くなった姿(もしくはその直前)のスチルが全員に用意されているという豪華仕様(?)。

“アルバムを埋めるためにあえて死にスチルを見る”というときはいいのですが、“助けたいのに助けられなかった”ときのプレイヤーの精神的ダメージは相当なもの……。

でも、攻略対象の死に顔が見られる乙女ゲームは貴重です! 個人的には秋山くんの表情がとても切ないので、ぜひ皆さんにも見て頂きたいです……!!

プレイヤーの度肝を抜くまさかの展開!

思わず引き込まれる緻密なストーリー展開も本作の見どころ。

仮面の死神は、攻略対象それぞれを桜葉=憤怒、葵=傲慢、穂波=怠惰、秋山=嫉妬、風野=強欲、高坂=色欲と呼びます。

七つの大罪にちなんだその呼びかたは、一見すると無関係に思えるのですが、じつは過去の出来事や彼らが抱えている悩みと密接に繋がっているのでした……。

cg54a

ルートごとに展開も大きく異なり、とあるルートでは、なんと犯人側についた主人公が攻略対象たちをつぎつぎと惨殺していくことに!

cg64a

かつてないサイコな展開に、当時プレイした際は本当に震えあがりました……。

しかもそれが犯人に対する恋愛感情ゆえの行動なので、まったく共感できないわけでもないのが余計に怖いです。犯人と主人公が迎える結末はまさにメリーバッド。恐ろしいけど幸せという複雑な展開は、まさにゲームならではですね。

……ここまで乙女ゲームの紹介とは思えないワードが躍ってしまいましたが、恋愛要素ももちろんたっぷりです!

cg25a
cg47a

胸キュンなのか恐怖なのかわからない動悸が楽しめるのは本作だけ……! ぜひ皆さんも、この夏を『クラキミ』で乗り越えてみてはいかがでしょうか?

(C)2009 WITCHCRAFT (C)2009 D3 PUBLISHER

▼乙女ゲームLabo☆バックナンバー